Kayこと慶伊道彦のCoffee Break
アイビー校の映画2本を語りましたので、本場英国のカレッジ校の映画を語らないわけにはいかないでしょう。そこで、第一回は、”炎のランナー” アカデミー賞作品賞を獲得した名作!

日本公開においては、”エイボンハウス” が、PRスポンサーになりました。ここは70年代後半、POLOと同様にニュートラ時代、大ブレーク!僕も社長をはじめスタッフの方々もよく知っていたので、凄く羨ましかったのを覚えています。”華麗なるギャッビー” 以来のアイビー映画で、日本でも非常に盛り上がりました。

ビートルズの”ヘルプ”も撮影
幕が開き、ゆっくりとシンセサイザーの音、そして遠くから海辺の砂浜を走る白いランナーたち。次第にサウンドが激しくなりクローズアップ!印象的でしたね。音楽監督ヴァンゲリスの才能が開き、その後の “ブレードランナー” に繋がる。この砂浜、実は、あのゴルフの聖地セント・アンドリュース!やるねえ〜

冒頭まず、新入生が列車でケンブリッジ駅に到着、カレッジ校に入学するところから。彼らのスタイルは、まだケンブリッジ学生でないので、庶民スタイルで。ツィードスーツにキャスケット帽。(キャスケットと言うのは、フランスに伝わる名称だが、今回はあえて使いました) 彼らも、入学後は、ボーラーハット(山高帽) をかぶる。


入学後のこのセレモニーがさすがと言うしかない!ここで、厳格なケンブリッジ精神を叩き込まれるわけです。

さて、新入生の催しシーンが楽しい。ケンブリッジ校は、カレッジ制で各学寮にそれぞれ所属する。トリミングブレザー、ローイングブレザー、チルデンセーター、スクールマフラー、クリケットキャップ、ボーター、アイビー少年憧れのアイテムがゴク普通に観られる。




当時は、ツィードのスーツが大モテ。特にドニガルツィードはヘリンボーン並に目立つ。昨今は温暖化や暖房などで、ツィードは、コートとジャケットのみに使われてます。これ以上、温暖化が進むと、ツィード系スタイルができなくなり、メンズのウィンタースタイルとしては非常に寂しくなる。ツィードのない男なんて!





以下の二つのシーンが、大好きです。一つは、競技ウェアの上から、ツィードジャケットを襟立てで着ています。スポーツとテーラードの相反する合わせがカッコいい。

もう一つのシーンは、スコットランド対フランス陸上対抗戦の舞台。スコットランド代表の牧師は、身体を冷やさないようにと、コートを肩にかけてます。上記と同じ相反する組み立て、ミスマッチ感がハンパなくカッコいい。


英国チームのセレモニー集合写真、さすが様になりますね。全員ボーターハット (いわゆるカンカン帽) フォーマルの際は、リボンが黒と決められてます。

パリオリンピック入場式、イギリスもアメリカも素敵ですが、やはりここは、フランスに譲りましょう。襟なしブレザーが新鮮!

英国のユニフォームは、ロイヤルブルーのブレザーに、ホワイトバックス、チルデンベスト、細身のレジメンタルタイ、赤が効き色。ボーターを手に、オフィシャルでは、必ず着用と決まっているようです。

このシーンは、意外と受ける。右手がアメリカ代表なのだが、英国は伝統的コットンガウンに対して、スエットの上下、セーターを肩掛け。アメリカの先取精神をよく表しています。

ホワイトバックス、ブレイスを外付けで。これがクラシックなやり方。サイドアジャストベルトの位置にも注目。

コーチが着るのは、ゴムびきマッキントッシュコートか。やはり、黒テープのボーターハット。

凱旋帰国シーン、中上流階級の若者のスタイル、おおまかこのようなジェントルマンルックで装う

*以上、映画”炎のランナー”より引用*
最後にジョークで一枚の写真を!Mr. ビーンことローワン・アトキンソンが、演じるロンドン五輪開会式の一コマ。”炎のランナー” の印象的なシンセサイザーのあの音が聴こえてくると、何と!Mr. ビーンの大写し。おまけにビデオでは、セントアンドリュースの海辺をランナー達と一緒に走る映像が。あまりのバカさに大爆笑!イギリスのエンターテイメントは底が厚いですよね。


この映画では上流階級だけでなく、スコットランドの貧しい人々も登場しますが、どんなに貧しくとも男たちは、スーツを着てネクタイを締める。そんな1920年代の様々な英国ファッションを、この映画では楽しめました。
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