Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

責任編集者 Jason Jules ジェイソン・ジュールズ 作家、ブロガー、ブランドコンサルタント、アイビーイスト、カルチャーシーンで多岐に渡り活躍、ロンドンでは ”生きているジャズソング” といわれ、そのファッションセンスは群を抜いている。


話題の洋書 “BLACK IVY” ようやくゲットしました。コロナ禍の影響か入荷が一か月以上も遅れ、ちょっと出遅れ気味ですが。この本を基に、僕のブラックアイビー感など話します。


この様なカジュアルなスタイルでも、IVYな崩しを忘れていない、ロンドン最強のアイビーイストです。
数年前、BLACK IVY というブログがあり(現在は見当たりませんが) そこでは黒人青年たちがカジュアルプレッピースタイルをカッコよく見せていたので、この本もその延長上に位置するのかなと考えてオーダーしました。
勿論、カッコいい BLACK IVY STYLE 満載なのは予想通りでしたが、著者の思惑はかなり深いところにありました。その辺りは、平和ボケの日本人には分かりにくいところです。ただ、そうした気持で写真の編集がなされたという事は、知っておいた方がいいのかなと
タイトルが、まさに ”スタイルへの反乱” その意味するところは、IVY を保護色ととらえ、”私たちを社会的によみやすくする機能を服に持たせる” “人はイメージに基づいてお互いを読み取ります” “アイビースタイルを受け入れるという事は、平等に見られたい、特定の偏見や障壁に阻まれたくないという意志表示” “ロカビリークラブに入るためのロカビリーな格好をするようなもの” などなど Jason Jules は、このように語っています。次に、BLACK IVYが、WASP発のIVYに、COOLな魅力を付け加え、それがアイビースタイルが長く続いてきている一因であるとも語っています。
——ニューヨークタイムズの特集より抜粋——
この本に、Martin Luther King Jr. の提唱する行進の写真が取り上げられてますが、まさにこの本の精神を著す

彼のこのコメントを読むまでは、僕は BLACK IVY で感じる事が、二例ありました。そんな軽い本でないと後で知りましたが。以下、その二例を紹介します。
その一つは、あの映画監督スパイク・リーの第二作 ”School Daze” 80年代ニューヨークで観たのですが、面白くって面白くって、デヴュー作 “She’s Gotta Have It” からファンだったので。内容は、ある黒人の大学生たちの学園モノですが、ネオブラック系 対 ブラックプレッピー系 二つの勢力のぶつかり合いをコメディタッチで描いていました。アイビーファンには、非常に楽しめる映画でした。

HBUC (History Black Universities Colleges) 歴史的黒人大学、アフリカ系アメリカ人学生の高等な教育を目的とした学校で、キング牧師も卒業生。


BLACK IVY から、もう一つイメージしたのは、80年代ラルフローレン,マディソンアヴェニュー本店、このショップにカッコいい若者が集まるようになったのですが、アイビーを実にうまくアレンジしている黒人学生たちも。恐らく裕福な黒人家庭の息子たちでしょうが。いゃ〜カッコよかったですね。僕が思うに、Rugby Shop の初期のイメージを作ったのは、彼らだったのでは。

さて、”BLACK IVY” は、およそ10分野に分けて構成、各分野の代表的な方々を選んで載せています。
In Literature 文学


In the Arts 芸術

In Music 音楽
さすがこの分野は、IVY の宝庫!載せきれないほどのプレーヤーの写真があります。ジャジーアイビーというスタイルが、若者を虜に!



ブルーノート・ルック
ジャズミュージシャンは、大胆な新しい音楽を演奏しているのに、まるで保険会社で働いているかのような服装をしている。この対比のカッコ良さがクール!マイルス・デイヴィスも音楽は急進的なのに、服装はアイビーできめる。あの伝説のアイビーショップ “アンドーバー” で即日で全身アイビールックに変えたのは有名な話。
In Film 映画

マイルス・デイヴィスの写真にもありましたが、ポアチエのシャツ!僕たちは、プルオーバーシャツと呼んでいますが、この本では、Popover Shirt と呼ばれてます。60年代は、このシャツが大人気。アイビースタイルの基でもあるので、復活させてほしいですね。

In Schools 学園

In the City ストリート

ロールアップして足首を魅せるブルージーンズ、シンプルなポロやドリズラー、アンゴラのカーディガン、どれもがブラックアイビーのカッコよさを感じる。
In Civil Rights 公民権
誰のアメリカか? 誰がそれを持つことが出来ないと言った? アイビースタイルは、不公平に対抗する手段でもある —— Jason Jules ——

ハリントンジャケットも50~60年代のマストなアイビーアイテム、日本ではスィングトップと呼ばれてました。ドリズラーも似たようなもので、マクレガーやバラクータが有名。
In Marches 行進


In Politics 政治

In Sports

Vネックのハーフスリーブセーター、セバゴのスリッポン、街に溶けこんだスタイルが素晴らしい。
Jason Jules は、こうも述べている。 アイビーリーグの服がクールの真髄であるとされるのは、古典的なアイビーワードローブがエリート主義の枠から離れ、大衆的人気からも高度にコード化され、意図的に革命的なものに生まれ変わった。アイビースタイルという言語が、音楽、ビジュアルアート、教育、闘争、etc. ブラックアメリカンの物語の内的な一部となった。
—ニューヨークタイムズより抜粋—
著者の考えについては、僕ら日本人には身をもって完全に理解しきる事は出来ませんが、おそらくは、しかしながら著者の選び抜いた写真のCOOLさ!カッコよさ!これには、僕もアイビーファンの皆さんもきっとアグリー!
”IVY” そのものが大人への反乱だったわけで、BLACKという名がついてなくてもこの本の価値は高い!人種世代を越えて愛されるクールなアイビー教科書です、皆さんも是非!
*掲載写真は “BLACK IVY” より引用致しました*
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