慶伊道彦 IVY STYLE 映画 / “Breakfast at Tiffany’s”

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

オールドムービーファンにもヘップバーンファンにも絶大な支持をされる映画 “ティファニーで朝食を” 我らアイビー派にとっても最高点をつける映画。とにかく共演のジョージ・ペパードのスタイルに唸るしかありません。それを見直す為にだけ何度観たことか！

ヘップバーンがタイトルシーンから、魅力一杯の愛らしさ。5番街、ティファニーの前でタクシーを降りる姿は、ジパンシースタイル。ため息の出るシーンですが、原作者 ”CAPOTE” のストーリーでは、都会ズレしたアバズレな印象で語られていましたが、ヘップバーンを起用する事で、そのあたりの印象を弱めた事が功を奏してオシャレでエレガントな映画に仕上がっていました。

では、ジョージ・ペパードのアイビースタイルを中心に見てまいりましょう。

ヘリンボーンツィードジャケット、60年代映画では、多くの俳優が着こなしていますが、ペパードの着こなしは、特に洒落てますね。ここでは、グレーのジャケットに合わせ、グレーカーディガンをイン、白のボタンダウンシャツに黒ニットタイ、誠にミニマムな合わせ。INにカーディガンを合わすことが出来る位のゆったりサイズ感が大切

このシーンが最高にカッコいいですよね。二人でフィフスアベニューを上って来ますが、ヘップバーンの赤のコートに合わせてか、ジョージ・ペパードは紺赤の2段のレジメンタルタイ、そしてネイビーブレザー、実は、裏地が赤なんですよ、肩にかけたレインコートも合わせて憎いとしか言えません。

ポケットチーフはシルクプリント、アイビーパフで刺す。タイには、パールのピンでエレガント！僕らが思うブレザースタイルではありませんが、恐らく大人な雰囲気を出す為に、敢えてシルクポケットチーフとパールピンにした。

“ティファニー” 店内でのシーン、ここでは、ベテランの店員さんが主役を喰ってます。お菓子のオマケのリングに対してのセリフが泣けます。”時が流れても変わらぬ物には、温かな気持ちを覚えます”と。昭和な味わいを楽しむとは、こういう事なんですね。

アームホールや身頃がゆったりとしたシャツ、当時は当たり前のシャツでしたが、ここ最近まで見ませんでした。ボディフィットなシャツがほとんどでしたので。ジャケットがオーバーサイズになり、パンツの股上が深くなると、必然的にシャツもリラックスシルエットが求められます。親父のシャツといったところですが、これからはこんな感じのシャツが広まるのでは。