慶伊道彦 IVY STYLE 映画 / “West Side Story” NYストリートスタイルの原点

Kayこと慶伊道彦のCoffee Break

スピルバーグ監督の “ウエストサイドストーリー” が近々公開されるが、新作を観る前に61年バージョンの話をしてみたいと、、、(2021/12/10)

その後ゴールデンウィークにスピルバーグ監督の新作を観ました。勿論、大監督の作品ゆえケチのつけようがないです。ただ、さすがのスピルバーグも、これだけは敵わなかったのではないかと思います。それはもう居ませんし存在しませんし。(だからつかえないから) オープニングのマンハッタン上空からの俯瞰図風撮影 (風景が変わった) エンドロールのデザイン (ソール・パスのセンスも利用できない) ジョージ・チャキリスのキレッキレッのダンスパフォーマンス (今、89才です) いや〜〜やはり、60’s映画はいいですねえ〜〜

“ウエストサイド物語” 公開は61年、僕の田舎では、翌年だから62年春、高校生時代!仲間が2回観た、3回観た、と熱く自慢した時代。勿論、僕にとっても衝撃的な映画という以上の出来事。青春映画としてのストーリーもいいのだが、何よりNYのストリートキッズのスタイルに目を奪われた。あのカラフルなカジュアルに!それ以来60年経っていますから、恐らく10回以上は観てるかと。アイビー映画ではないのですが、何故か熱い共感を感じてしまいます。

このポスターには、参りました、カッコいい ジョージ・チャキリスの切れ味あるダンスに痺れる

冒頭、まずNYマンハッタンの全景のアップを真上から撮り、ダウンタウンからミッドタウン、そしてウエストサイドへとカメラワーク、現在のリンカーンセンターの裏通り辺りと言われてますから 60th. 8~10av. 界隈かと、真上からバスケコートに向かってカメラ目線が降りてくる。そこに不良少年たちがたむろしている。ここまでの映像が、実にカッコいいんです。

映画のタイトルデザインを担当したのは、グラフィックデザイナーとして名の売れている ”ソール・バス” 映画ポスターは勿論、オープニングのデザインも彼の仕事か。カッコいい!

オープニング、マンハッタンの真上からの光景を
ソール・バスの映画ポスター
ソール・バスのシナトラ映画のポスター 映画タイトルデザインに革命を起こす
“めまい” ポスターもバスが
始まりのシーンから、シャツの赤と壁の赤! 赤を画面いっぱいに!ここにもソール・バスのセンスを感じる

映画が成功をおさめたのは、人種差別、白人貧困層の対立という普遍的なリアリズムと”ロミオとジュリエット”をベースにしたミュージカル世界の非現実性、この相反するバランスが良かったと言われてます。勿論、貧しい若者たちの熱気を表現したのがヒットの最大かと。

ここでスタイルの面からの見どころを見てみましょう、まずはダンスパーティーシーンから。

カラフルなんです、ゴールドからパープルまで、 男女オシャレを競うダンスシーンが圧巻!
主役トニーのジャケット!アンバーイエロー、スラントポケット、浅いベントのコンポラスタイル周りの若者も、スリムタイにカラーピン
ジェット団の二人は、ゴールドのジャケットにスリムタイ。やはり、スラントポケットのコンポラスタイル で決める。60年代、アイビーはスノッブな中上流坊っちゃま御用達で、下町の若者は、この様なコンポラ風なスタイルか。
ドクの店前のシーンから、タータンチェックのジャケットやベストでシャレる 若さがはち切れる
バスケコートのシーンでは、当時のアメカジスタイル、スエット、Tシャツ、ハリントンジャケット、オックスボタンダウンシャツの着こなしも決まってます。ポーランド系移民のジェット団は、白のバッシュ!そして、プエルトリコ移民は、黒のバッシュ!
夜のコートのシーン、ブルゾンジャンパー
シャーク団、当時ジョージ・チャキリスのこのパープルシャツが大流行!これは、彼でないと着こなせないでしょうね。
同様に、ダンスシーン、ジョージ・チャキリスは、他の人とは違う抜群のダンス感覚があるなあ〜と当時感じたし、今でもそう思います。 チャキリスのベルトずらしもカッコよかった! 007ボンドはショーン・コネリーでなくちゃいけない様に、この役はチャキリスでなきゃいけないゾ
主役ながら影が薄いトニーことリチャード・ベイマー、“ジャイアント” のロック・ハドソンがジェームズ・ディーンに喰われてしまったように、彼もチャキリスに人気を奪われる。悪漢の方が、人気者になるのは、昔から古今東西変わらないかと。Coca Cola の木箱がいい感じ
この映画では、幾人か製作者側もカミングアウトしてますし、プエルトリコ系、ユダヤ系、ポーランド系など人種差別に反対するテーマも多く掲げています、写真は、トランスジェンダーの役どころで最後に活躍するエニバディーズ、この様に楽しい映画の中に社会問題を散らべています。
最後のエンドタイトルにも注目です。一番最後に道路標識が出てきます。そこに書かれているのは「No Left Turn(左折禁止)」「No Right Turn(右折禁止)」そして最後に「Keep Right(右側通行を守れ)」と書かれます。rightにはもうひとつ「正しい」という意味があります。これが最後のメッセージとして受け取ることができます。 *だんす道” より文章を引用しました*

エンディングまでもが、”ソール・バス” のデザインで光ってました!

音楽 / レナード・バーンスタインの名曲数々 “トゥナイト” “クール” “アメリカ” I feel Pretty” そして “マンボ” 沢山の思い出の曲と共に、またまた観直してみたくなりました。皆さんも!

“写真は、全てビデオからの引用です”

#Michihiko Keii #慶伊道彦 #ivy #ivystyle #menswear #アイビー

Insta/kay_standard_style

https://www.instagram.com/kay_standard_style/

YouTube

https://youtube.com/channel/UCxj5YwwDwalluSQ6hfmncQw

コメントをどうぞ