慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / 雑誌 “CrossEye” から ‘80を読む

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

くろす・としゆき著 “CrossEye”1980を読み解きます。

くろす先生が、自分の趣味、考え方等を (ある意味自由奔放に) お書きになったコラム誌。アイビールックの精神を築かれた方なので、どのコラムも氏らしいと納得。メンズスタイル黎明期の右も左もぶっ飛ばせ!的な気分がよく伝わっています。

当時の人気モデル&ゴルファー / 入江勉

氏いわく、流行に振り回されるな!流行病から抜け出すと、煩わしさがなくなり清々しくなる。そこでスーツ本来の美しさは、オーソドックスで色も当たり前なグレーと気づく。プレーンなタイ、シャツ、シューズも同様。これらも身につけたあなたは、身だしなみの良い紳士という評価を受けるに違いない。私の好きな伝統的な服とは、こんな服の事。

これはまた過激なコラムである。氏いわく、メンズショップは堕落した、死んでいる。一昔前のメンズショップは、店員がスター!店員を中心とした社交場であった。しかし、お客様の多様化ニーズに合わせるという今の風潮が緊張感をなくしてしまった。主張ある厳選された商品、自信に満ちた店員たち。これがメンズショップの正しい姿だ。

氏いわく、あなたは他人の靴を履いて気持ちいいですか?靴の底には、自分の気づかぬうちに足の裏の凸凹に合わせて起伏ができているのです。だから、新しい靴を履くと馴染むまでに三ヶ月くらいはかかります。足の裏に直接当たる底皮のことを(中底)といい、地面に当たる方を(表底)と区別します。英国人は、折角馴染んで自分仕様にした中底を大切に大切に使います。ですからイギリスの靴は、グッドイヤーウエルト式製法なのです。表底だけを換えれるからです。自分にあった中底は、繰り返し修理して履き続けるための大切なパーツです。

ボンドストリートほどの派手さもなく、かといってセントジェームスストリートほどの意固地なところもない。自分から仕掛けることを嫌い、常に受け身。氏が愛でるジャーミン・ストリート。その案内レポート。20番地の(アイバン) 古臭い理髪店。男性用化粧品が良い、昔ながらのパッケージのローション、コロン、石けんなど。隣には、古めかしい帽子店(ベイツ) ツィードのハンティング・キャップやカントリーハットも充実。コーナーにある(シンプソン) にはダックスの商品ディスプレイ。食料品の(フォートナム&メイソン) 、ダンヒル、南側では、(トリッカーズ) 靴店、ここではスリッパを手に入れたい。黒ベルベットに金モール刺繍で、フォックスやイニシャルなど。(ターンブル&アッサー) 世界中の伊達男たちがオーダーするシャツ屋。ドレッシングガウンも有名。ジャーミンストリートは、シャツ屋で有名な通り。(ハービー&ハドソン) など5~6軒はある。(フォスター&サン) 最高の靴店。オーダーメイドが中心。(アストレイ) などパイプ屋も多い。ジャーミンストリートは、まさにこだわる男のための男の街といえる。(4ページにわたって書いてあるので、これはほんの紹介)

氏いわく、初めてのアメリカ!チャコールグレースーツが目立つ中に、一人だけカーキのコットンスーツの男が衝撃!初めてのコットンスーツとの出会いだった。 (コットンもよいがシワになるから)という人がいる。コットンにシワがよらなかったら、それこそ気持ち悪い。コットンはシワを着ることになるのだから。カーキのコットンは、都会の男女を、精悍で、野性味たっぷりな生き物に変える。

氏いわく、バミューダ訪問は、この島の名前を世界的にしたショートパンツ、(バミューダ・ショーツ)に出会うことだった。格調高い専門店(トリミンガム)の店員にたずねてみた。バミューダ・ショーツとハイソックスの色の組み合わせは、どうあるべきかと。(ソックスの色はジャケットの色とマッチさせるべきである。それがバミューダ式のコーディネションである)

氏いわく、そもそも一流品とは何のことか。どこの誰が、一流品、二流品の判断を下したものか。一流も二流もそれは使う人間が決めることで、うまいもの屋の採点とはわけが違う。他人の眼を意識する必要は全くない。好況、衝動買い、使い捨ての時代は完全に終わった。服に主義主張を持て。服はあなた自身のメッセージだ。何も語りかけてこない服が、世の中多すぎる。

氏いわく、卒業後 VANに入社。退社するまでの10年間、ボタンダウン作りに熱中した、といってもいいだろう。VAN, KENT, そしてGANTと手がけた。いかに本物を創るか、そればかりを考えていた。そんな時代を経て、今日のボタンダウンシャツは存在している。私にとって、ボタンダウンシャツは切り離せない存在、いわば皮膚の一部みたいなものだ。

本誌のモデルを務めるのは、ゴルファーの入江勉氏。くろす氏が監修するブランド “ダンマスターズ” の専属モデルでもある。当時、そのカッコいい大人ブリで、僕たちの憧れの的となる。

なにせ、トラッドスタイルが似合う。これは、顔やスタイルだけでなく、彼の持つオーラ(アマチュアゴルファー時代の戦績とマナーから)が素敵だから。

上記以外にも、多くのコラムが語られていましたし、取り上げたコラムの内容も部分的なので、食い足りないところもあったかと思います。くろす・としゆき氏にご興味を持たれた方は、是非この雑誌を手にとって読んでください。(なお、今回は、あえて僕の思いは入れないでアップいたしました) また、1980年の風潮や流行の基で発刊されてます事を考慮して下さい。

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