Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

出石尚三氏がMENS CLUBで語る中で、マテリアルについてこんな記述があります。有名な小説から引き出された名文の数々。
* トラディショナル・モデルをズバリひと言で表現するにはなんと言うのか思いつかないが、少なくともマテリアルについてなら、[物語りを秘めた古典素材] と決めつけて、ほぼ間違ってはいないだろう *
⭐︎ ウーステッド / アメリカ人の代名詞
古びたグレーのウーステッドの服を着るのが好きで、おまけに上着のポケットに拳を突っ込むくせがあるので、いつも上着がふくらんでいて、長そうに見えた ———- [死者はよみがえる] ディクスン・カー
前日の午後、連邦捜査局の連中の手で、彼はかなりアメリカ風にされてしまった。洋服屋が来て寸法をとり、濃紺の軽いウーステッドでシングルの背広を二着作ることにした。それよりも派手なのは、ボンドも頑固に断ったのである。—————————————[死ぬのは奴らだ] イアン・フレミング
⭐︎⭐︎ フランネル / グレーフランネルといえば、典型的なビジネスマンを指すまでに一般化したマテリアル
<まるで日曜日みたいにオシャレしてんのね> 事実、彼はダンスのクラスのために買ってもらった、白いフランネルの一張羅を着ていた ————————————[遠い声、遠い部屋] トルーマン・カポーティ
⭐︎⭐︎⭐︎ ギャバジンとサージ / ウール・ギャバジンの綾目が65度ほどの急角度で走っているに対して、サージのそれはほぼ45度という違いであり
モントリオールはウィンザー駅のプラットフォームに降り立った日曜日、わたしはひどく誇りにしているベージュ色ギャバジンのダブルの上下、濃紺のフランネルシャツ、綿織りの濃い黄のネクタイ、わたしには小さめのボビーのパナマ帽を身につけ、三週間ほどの赤茶けた口ヒゲをはやしていた ————————————[ド・ドミエ・スミスの青の時代] J.D.サリンジャー
10分後、厚手の白い絹シャツに海軍サージの濃紺ズボン、濃紺の靴下をよく磨いてある黒のモカシン靴といういでたちで、ボンドは片手にカード、目の前にスカルメのすばらしいいかさま指南書をひらいて ————— [ムーンレイカー] イアン・フレミング
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ ツィード / カントリースーツなどにはなにをおいても欠くことができない
ボンドの古い黒白チェックのツィードの背広と、白いシャツ、黒いネクタイを見まわして <衣類ですな> と——————— [007号の冒険] イアン・フレミング
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ シェットランド・ツィード / スコットランドの北にあるシェットランド諸島に住むシェットランド種羊から織られる
茶色のシェットランドの半ズボンに、白いワイシャツに縞のネクタイ、そのうえに濃紺のジャージを身につけていた ————————————————————- [エズメのために—愛と汚れ] J.D.サリンジャー
⭐︎6 キャメル・ヘアー / キャメルのポロコート、これほどトラッドなコートはちょっと他には見当たらない
<いいコートですね> 椅子から既に立ち上がって彼はいった。彼は部屋を横切ってジニーのポロ・コートの折り返しを指でつまんだ。<きれいですね。戦後はじめてお目にかかった本当に上物のラクダですよ。どこで手に入れたんですか?> <母がナッソーから買ってきたんです> <あそこは、まったく上物のラクダが手に入る数少ない場所のひとつですよ> —————————— [エスキモーと戦う前に] J.D. サリンジャー
⭐︎7 コーデュロイとダンガリー / コーデュロイ、実はフランス生まれ
彼はコーデュロイのズボンをはいて、安煙草をふかしていた。そして彼よりずっと背丈が高くて感じのいい若い女が一人、一緒にいて、これも同じ布地のズボンをはき、同じ煙草をふかしていた——————————— [情事の終わり] グレアム・グリーン
着ていたダンガリーのバント通しに両手の親指を突き立てた。靴も農夫のはく長靴で、厚地のセーターの胸には<コカコーラを飲もう>の広告文句が薄く消えかかっている———————————————————-—[遠い声 遠い部屋] トルーマン・カポーティ
⭐︎8 オックスフォード・シャーティング
ケネディ時代、ボビーだけはアイビースタイルを固執して、兄から皮肉たっぷりに軽蔑されたものだ。<ボビーは少しも分かっちゃいない人だ>
大統領は自分のシャツの襟をさすってから、こうつけ加えた。<ボタンダウンの襟はあまりにアイビー・リーグ的で学生くさい。きみが着ている他のシャツは、襟が長すぎる。こいつを見たまえ。なんなら、ニューヨークのシャツの仕立屋に私から君のやつを注文しておこうか?> ——————————————————-——[ケネディ] ポール・B・フェイ
⭐︎9 インディア・マドラス/ 最初は水兵の頭に巻く生地
優雅な、女性のように白い顎は、シャツの低い襟と、印度マドラス織りで作られた碁盤縞の細い襟飾(ネクタイ)から、解き放たれたようにくっきりと現れていた。———— [悪の華 序文] ティオフィル・ゴオティエ

⭐︎10 以後の続きは次回に掲載します
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