Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
アイビー・ディテールに関しては、一度 Blog. をアップしているので、前回の分と合わせて読んで頂けると、より僕のディテール愛を理解して頂けるかと。
1 : ステッチ
ディテールの中でも特にステッチが重要かと考えます。僕にとってステッチのないジャケットは、〜〜でない。しっかりかかったステッチの凸凹影(陰陽)をみると何故かホッとしますね。ラペルのステッチは勿論ですが、ショルダー(肩ラインと袖付け)、袖、背中、ポケット、ことごとくステッチ三昧!一般的には6mm前後といわれてますが、4~8mm、その方の体型つまりサイズ加減で。ステッチの陰が綺麗に出てるかどうかには、技術は勿論、生地も影響します。ハリスツィードやコーデュロイの凸凹は、実に綺麗ですね。



2000年代は、日本のジャケット縫製技術が格段に進歩しました。イタリアクラシコの技術を取り入れ。袖付けに関しても<いせ込み>等非常に高度な縫製技術をものにしました。それは素晴らしいことなのですが、アイビー・ナチュラル・ショルダーの側からみると、肩のステッチが無くなり袖ヤマがふんわりした事が残念です。60年代は、袖付けは<片割れ>仕上げで、その欠点をステッチでカバーしていました。でもそれが結果フラットなアイビー肩を生みました。どうも若い頃馴染んだ袖ヤマのないドロップショルダーじゃなければ落ち着かないですね。
50年代、60年代、大量生産時代!マシーンメイドで見栄えするスーツスタイル、それがアメリカが求めるアメリカン・スタイルでした。必然的に生まれたのが、ナチュラル・ショルダー。ノーパット(もしくは薄芯) 片割れミシンステッチ、僕らが愛するアイビー・ディテールの誕生でした。

Brooks Brothers Japan の今秋新作コーデュロイジャケット、それが実によろしいのです、ステッチワークが!そこで、写真でお見せいたします。



2 : フックベント
もう一つのアイビースタイルの楽しみは、フックベントです。あのカギ型に切り込まれたベント、これが付いてないと間抜けたジャケットの印象は拭えませんね。アイビーディテールは、多くはスポーツから出てきたようですが、ベントは、乗馬服から。ベントの長さは、オーセンティックは23cm、しかし背が高かったり上着の着丈が長い方で、25cm以上のものもあります。写真は、70年代後半のニュートラッドの時代、ウエストが軽く絞られ上着丈が長くなる事で、ベントも必然的に長くなってます。ここまでくると、アイビーではなくブリティッシュでしょうね。

アンソニー・パーキンスのような手足の長い電信柱体型がアイビーにピッタリ!因み僕のようなチビですと、どう頑張ってもベントの長さは20cmにまでもいかないので悔しいですが。生まれ変われたなら、ジャケット前三つボタンの間隔は13cm、ベントの長さも23cm、こんなジャケットを着こなしたい。(チンケな願望です)
ブルックスブラザーズの今秋のコーデュロイ、ベントはおなじみのしっかりと入った”ノの字”センターベント。これはこれで、60年代ブルックスの伝統を感じます。

3 : バック・ストラップ
フックベントと同じくらいアイビーディテールにとって欠かせないのは、バック・ストラップ。パンツ後ろ中央に座るストラップです。サイズ調整に使えるとの事ですが、これはそれほどの効果はないです。それより、お尻の落ちる日本人には、目線が少し上になるので、美尻効果があります。責任は持ちませんが。

トニパキのような背丈がなくても、アイビースタイルをそれなりに楽しめます。個人個人の持ち味を活かすが大切です。写真は、ジャケットの上二つ掛け、それとジャケットの一番下ボタンのみ掛け、これだけでも印象が変わります。


江戸前寿司のハウツーじゃないですが、まずは基本基本の学習、そしてそれを知って知らん顔で崩す、しかしまた基本に戻る。アイビースタイルもそんな感じで、オーセンティックを学んだり、ストリートを加味して崩したり、そしてまたまたクラシックに戻したりと、楽しみたいです。
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