Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
ケーリー・グラントがヒッチコックと組んだスタイリッシュ・サスペンス映画、オープニングからカッコよく飛ばしてます。この映画は、まさに ”グレースーツを着た男“ ケーリー・グラントのグレースーツ・スタイルを堪能できます。

お馴染み、どこかで必ず一回チョイ出するヒッチコック、今回は、オープニングのバスに乗るシーンで。

国連本部ビルでのシーン、設計は、当時の一流建築デザイナー達の政策委員会を中心に進められたそうですが、ル・コルビュジェもその一員で、そのフォルムも美しい。


ケーリー・グラントの相手役は、エヴァ・マリン・セイント、マーロン・ブランドの ”波止場” で、可憐なカフェ店員を演じたのが印象に残っています。この映画では、ミステリアスなエージェント役、ケーリー・グラントを翻弄します。なんと言っても声がいいですね、艶がある。

これはまた珍しい赤帽衣装、楽しませていただきました。

“電信柱”スタイル、肩からパンツの裾まで絞りもなくストーンと落ちるシルエット。アイビーに通じるものがあります。違いは、ステッチがないこと、ノーベント、肩パットが入っているところかな。ナチュラルショルダーですが。60年代アメリカン・スタイルの典型、ジェームス・スチュアートに代表されるスタイルです。


第一ボタンの位置のロール具合が痺れます。柔らかく自然に丸みを帯び。仕立てが悪いとロール返りが出ませんから。ボタン間隔を狭くしてVの開きを広く取ります。


お次は列車内のカクテル・シーン、”ギブソン” をオーダーします。マティーニでないところが、監督ヒチコックらしいですし、またケーリーに似合います。(関係ないですが、マティーニならボンドです) 同じジンベースカクテルで、マティーニはオリーブを入れギブソンはカクテルオニオンを入れたものです。もっともプロ・バーテンダーに言わせると、作り方が変わるようですが。一見、マティーニよりも生成り色のオニオンが入るギブソンの方がエレガントに映ります。マティーニは、アルコールに強いアメリカンをイメージします。


役柄がアメリカ人なので、シャツはボタンダウンシャツ、ところがさすがの英国生まれのケーリーは、なんと!ダブルカフスにしちゃいます。そして、背中もボックスプリーツではなくギャザープリーツ、ビスポークでしか出来ないシャツを魅せます。

さすがのケーリー、シャツの下にTシャツは着ません。英国人ここにあれというスタイル



胸ポケットをつけないのが英国流、ネクタイは裏地なしで、手巻きで大剣の裾を仕上げてます。全てがサルトリア・スタイル、しかしアメリカンな味付けをしてます。

この映画、共演者もオシャレに迫ります。教授役のレオ・G・キャロル、いつもカッコいい脇役をしていますが、今回もコンチ・スタイルのグレースーツを決めてます。

敵役の二人、ジェームズ・メイスンとマーティン・ランドー、かたやスーツの中のオッドベストが憎いですし、マーティンのフラップ付きコンチスーツの着こなしもさすが。


メイスンはアメリカン・スタイル、コートのステッチやシルエットが決まってます。

ケーリー・グラントのオヤっと思って観たシーンから。ソックスがダークでなくライトカラー、白ソックスではないですが、かなり明るいグレーかと。スリッポンタイプ靴を合わせるところもアメリカンを意識しているのかも。

付録: 当時の寝台列車、ファーストクラスですが、上の荷物入れがベッドにもなるが、とてもロマンチックな気分にはならないでしょうね。コミカルなシーンでした。

この映画、全シーン!見逃せません。”パリのアメリカ人”ならぬ、”ニューヨークのイギリス人” スタイルが満載のこの映画、何度も何度も観ましょうか。
#michihikokeii #ivy #ivystyle #ivylook #preppy #preppystyle #kay.ivy.album
Insta / @kay.ivy.album
https://www.instagram.com/kay.ivy.album/
YouTube