慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / John Comfort Tie Story

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

1908年創業の英国老舗ネクタイメーカー。
英国で入手可能な最高級素材だけを使用し伝統的な職人気質を貫くことで、ネクタイマーケットでの高いブランド力を持ち続けることに拘る

ネクタイ生地は、ロンドン郊外に200年以上前からある工場でつくられ、エンシェントマダープリントやセブンスレッドシルクといった当時から高い技術を要する製法で、 品質とクラシックな風合いに織られたり染められたりしている。

John Comfort 1937

1908年、イギリスのロンドンで「ジョン・コンフォート」により設立された「The Cathedral Knitting Company」がスタート、ハンドフレームのニットタイを生産し始めたのがタイブランドとしての始まりと言えるかと。1920年には会社名を「J.Comfort and Company Ltd.」と改名。織タイやプリントタイも始める。1930年代には、レジメンタルストライプのタイなど「クラシックコレクション」として、新しいアイテムを展開。

Alan & Richard Comfort

二代目Richard Comfortは、販路を世界中に拡大。クラシックタイ市場のNo. 1ブランドとする。

Richard Comfort

日本でもジョン・コンフォートタイは人気でした。50年以上前の事ですが、僕の営業時代、ジョンコン(以下略称で)のプリントタイは、各繁華街の一流洋品店でも特別な扱いでした。英国で作られる抜染メのプリントは、当時の僕には宝物のようなネクタイでした。

引用写真/丸善や神戸元町バザーなどの老舗で販売

70年代後半のトラッド離れから、ジョンコンも徐々にマーケットから消えていきます。これは、アメリカでも同様の動きで、他のブランドメーカーにとっても似たような状況となりました。

80年代の広告から

70年代、僕も仕入担当としてジョンコンによく伺いました。その頃は、二代目リチャードが、まだ社長で健在でした。

引用写真 / 80年代のラベル

80年代、僕が会社を興した後、再びロンドンのジョンコン訪問をした時も、まだリチャードが社長、古い手動式のスケルトンエレベーターで恐々オフィスまで上ったのは、今ではよい思い出です。

引用写真/当時の商品写真/Fairfax Catagogueより

その後、孫のデヴィッドが三代目社長に就任。新しいトラッド市場での巻き返しに乗り出すのですが、いかんせんNo. 1の位置には戻れませんでした。ブルックス・ブラザーズのおかれた状況と同じような立場で、市場に置いていかれた感が。その頃は、僕も一緒になって仕掛けていた DRAKES が、その地位を奪ってしまっていましたので。

契約後の記念食事会

そして、2010年代に入り、デヴィッドは、会社を整理します。僕はJCブランドの持つ英国スタイルというイメージを、なんとか再興させたいと考え、2016年、ジョン・コンフォートブランドをもう一度復活させましょうと、デヴィッドを説得しブランド契約。
英国で入手可能な最高級素材だけを使って、再度、ドレイクスが強いマーケットに食い込むよう計画。(Drakesは、Michaelが引退、それに伴い僕もDrakes契約から外れる)

まずは、商品の顔となるネームタグのデザインからスタート。古いエンブレムからモチーフを頂き、英国の香りや他にないインパクトを第一にユニークなクレスト型ネームをデザイン、高評価を受けました。

特に BEAMS F で好評、たくさんスペースを頂きましたが、今日でも大切に扱って頂いていることが伺えます。(勿論、もう僕は退社し関係がないのですが、仕掛けた者として嬉しいです)

特に今シーズン、ビームスFにて関心が高いラインのようです。80年代、このようなデザインを仕掛けた事を思い出します。ビックデザインが主流だからこその打ち出しでしょうか。

そういう訳で、ジョンコンフォートは、現在日本でのライセンス生産のみになっていますが、むしろそれが功を奏し、イメージのキープを図りやすく、60年代、ジョンコンが輝いていた頃と同様、No. 1ブランドの地位にまでなれば嬉しいです。(一部、John Comfort Catalogue からの引用を致しました )

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Insta / @kay.ivy.album

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