Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
服飾評論家であり、一時 ”シャンタル・デュモ” の代表も兼務した林勝太郎氏が、MENS CLUB に投稿した記事より、ピックアップして纏めました。
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1: アイビー発展史/アメリカン・トラッドの歴史
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アイビー・リーグ・モデルの発表されたのは意外と遅く1958年、(日本でも、その後すぐにアイビーモデルが発表されてます) 、その7年前にナチュラル・ショルダー・モデルが発表、これがアメリカン・トラディショナル・モデルの誕生にあたるかと。
ただ、アメリカントラッドの起源となると、1867年に発表された英国のサックコートが、今日の基本モデル、同時に背広の原型でもある。
1930年代に、ユニバーシティ・モデルが発表。この頃より、英国トラッドとアメリカントラッドの違いが見えてくる。よりテーラードでボディラインを強く出す英国に対して、アメリカントラッドの方は、よりソフトによりナチュラルになる。英国の主体である仕立屋の服とレディメイドが中心になるアメリカントラッド服の差が出てきたといえる。
2: トラッドの概念
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トラディショナルとは物ではなく、精神と考える。<<<林勝太郎談>>>
トラディショナルを正しく理解し、その定義を守りながらオシャレを楽しむことは、かなりの忍耐と辛抱強い信念が必要。
これには、アメリカ建国の歴史に見ることが出来る。メイフラワー号の乗客102人、彼らは信仰心の厚い清教徒たちでした。彼らが新しい国の可能性に見出したのは子供たちの教育でした。教育を大切にしたことが、たったの移民から20年後には、ハーバード大学を創立させると言う偉業につながる。
教育としてのトラディショナル概念が大学を作り、また大学がスポーツを生んだ。日本でよく言う文武両道に近いかと。トラッドのスポーツ精神が、アメリカン・フットボールのリーグマッチを生み、その後、そのリーグの名をアイビー・リーグと呼ぶ。アイビーの誕生である。
アイビー誕生の詳しい話しは、僕のブログ ”アイビー黄金時代” 等で語ってます。
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北軍へ制服を提供し成功した “Brooks Brothers” 、アイビー校周りに出店した “J.Press” が、その後のトラッドスタイルを牽引する。
3: 型の定義 / アメリカン・トラディショナル
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ナチュラル・ショルダー / パイプドステム
僕のブログ “アイビー・ディテール” 編で、詳しく述べてますので参照してください。
上着のボタンスタンス、アイビーは、13cmと広いが、アメリカン・トラッドは、12~11cmとやや狭くし、上のボタン位置もポケットの横より2cm位、下からスタート、段返りとなっている。(アイビーは、ポケット横よりスタート)
ステッチもアイビーモデルより、やや狭くなりコバステッチまで様々。ラウンド・アウェイもアイビーより、より小さ目で、直線的なカットに先だけ丸くなる。
パンツは、ウィズアウト・フロントダーツ、つまりノータック。ローライズで斜めポケットで手を出し入れし易くしている。ベルトループとターンナップは必須。
4: トラディショナルの現代史
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アメリカン・トラディショナルの頑固な扉を開けたのは、間違いなくラルフ・ローレン!長らくファッションデザイナーがIVYに手を出す事はタブーでした。その扉を開いたのがラルフ・ローレンでした。彼が ”コロンブスの卵” とも言えるニュー・トラッド、ブリティッシュ・アメリカン “UP-DATE TRADITIONAL LOOK” 、を生む。その後は多くのアメリカン・デザイナーが出てくる。アレキサンダー・ジュリアン、サル・セザラニ、ジェフリー・バンクス、など。
一様に、ワイダーラペルのロングターンのローツースタイル、パンツはオックスフォード・バックス調のゆったりシルエット。
その後、ハイウエスト、本来のパイプドステムに近いスリムシルエットになる。そして、機能性やスポーツマインドを取り入れたスタイルを加味していく。
以上、簡単にトラッドからニュートラッドへの変化を語る。
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