Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
ロンドンでの宿泊ホテルから、バブルを挟む80年代90年代を思い出してみました。
サラリーマン時代いわゆる鞄持ちでの出張時代は、実につまらない平凡なホテル宿泊でした。(それがアッパーミドルクラスではあっても) それゆえ、自分で会社を興してからの出張は、意味のあるホテルに泊まりたいと考えました。
まず第一にロケーション。興味あるエリアにあるホテルを選択。ホテルを中心にして歩き回りたい。何度も往復できるので便利さに勝るものはないです。
第二にアットホームな事、平たくいうと大きすぎない事。チェーン化されたホテルでない事、時の移りでその後系列化されていくのは、致し方ないところですが、当時は独立したホテル経営である事。
第三にカルチャーを感じるホテル、宿泊しているだけで、自分の何かに刺さったり興奮したりするホテル。とはいえ、別段いたって普通なセンスで、奇を衒うとかいう訳ではありません。
このような条件のホテル選びをしましたが、勿論値段もソコソコ高いレベルなので、2泊位まではそこに泊まり、その前後はいたって普通なホテルにしてコスト・バランスを取りました。ロケーションだけはなるべる興味あるエリアにはしましたが。
では、僕の80年代90年代から2000年代初めまでのホテルの紹介をします。(宿泊した当時の印象なので、その後変わっていく場合もありますが)
“22 JERMYN STREET“
80年代、30才台初めの頃、ロンドンのクラシックなスタイルに憧れていたので、まずはジャーミン・ストリートかなと思い、知人に紹介して頂く。有名な帽子店BATEの隣の見落とすような狭いドアから入ります。(BATEは、2000年代に入り閉店し、その後、別のファンドで再開するが、当時のイメージからは程遠いが) ロビーもなく小さなフロントですが、宿泊フロアは、それぞれの3フロアだったか各フロア4~5部屋あったようなスケールでした。エレベーターもなく、当時重い鞄を持ち上げるのに苦労した思い出があります。
当然、ジャーミン・ストリートは、目の前、ピカデリー・サーカスも1分!バーリントン・アーケードも5分、初歩のロンドン歩きには絶好のポジションでした。界隈の老舗店に何度も足を運んで勉強しました。特にジャーミンStreetはシャツの聖地で、ヒルデッチ&キー、ターブル・アッサーを筆頭にいくつかのシャーツ・ショップがあったので、ボタンダウン離れしていた頃でしたから、ワクワクが止まりませんでした。



HAZLITTS SOHO
ハズリッツ 1718年創業、昔の文豪が泊まっていたことで有名でしたが、ソーホー地区に興味が出て来た頃に宿泊、まさにド真ん中にあるこの小さなホテル、何と床が傾いていました。やはり立っていると妙なのですね、球が転がる感覚。猫足バスタブや実に古い時代を感じさせる室内の魅力はさておき、やはり2泊が限界でした。ただ、シャーロック・ホームズの世界に近いソーホー文化に触れる最前線だったので、古い歓楽街ソーホーを満喫出来ましたが。最近、またリニューアル・オープンした事をSNSでチェックしましたが、あの!傾きはリフォームされたのかな?



Number 16 Hotel / サウスケンジントン
ナンバー・シックスティーン サウスケンジントン駅近くの閑静な住宅街にあります。ロンドンのホテルによく見られる以前は高級マンションだった建物をそのままホテルにリフォームしたスタイルかと。80年代後半、マイケル・ドレークに紹介を受けて以来、気に入ったので何年も宿泊しました。ここはチェルシー地区に近く、キングスロードまでの道中たくさんの有名ショップを見るなど、メイフェアとはまた違う高級エリアを散策できます。その後新しくできたザ・コンラン・ショップも近くにあり、またあのハロッズも歩いて15分くらい、道中アンティーク・ショップなどを楽しめました。



SOHO HOTEL ソーホーエリア
80年代後半から90年代にかけて、ロンドンのナイト・カルチャーにハマりました。新しい文化はすべからくソーホー・エリアから発信されてました。バー&ラウンジ、劇場、JAZZ、クラブ、映画館、、当時ニューヨークと共にロンドンでも新しいスタイルのホテルが誕生した時代でしたが、大体がソーホー・エリアでオープン。(その後、OLD STREETエリアへと移っていきますが)
目新しいファッション・ホテルの一つであるソーホーホテルにトライしたのは、そういった時期でした。外装は古い建物をリノベートしたものなので、歴史を感じさせますが、一歩中に入ると全く別な世界、ニュー・カルチャー・シーンを感じることができました。ホテルマンの服装や接客方法などもいままでのクラシックなタッチとはまるで違いました。(もっともクラシック・タッチの方が良い場合が多かったですが) ラウンジやバーも新時代を感じ連日ファッション・ピープルで盛り上がってましたね。ヒップなピープルに接した感がありました。
多くの起業家ショップも誕生し、ロンドン・ファッションの底堅さを感じました。



DUKES HOTEL St.James Places
DUKESホテルのBARが評判だったので、一度トライしたいと思い夕方食事前に訪問したのですが、すでに満員!断られました。そこで作戦を変え、次回のホテルをDUKESホテルにして、BARにトライ。ですから、バー予約のために宿泊したような感じですね。チーフ・バーテンダーは有名人らしく会話も上手、東京にも何度か行ったようで、僕が贔屓にしていたBar TENDER の話で会話が成り立ち楽しい時間でした。ホテルのバーとしては良いバーだと思いましたが、旅行時に並んでまで行くかと言うと。
セント・ジェームス・ストリートから少し入った静かなエリア、LOCK HAT, JOHN LOBB, など老舗店が並び、紳士スタイルのための小道具に眼を奪われる。ジャーミン・ストリートやアーリントン・バーケード、セヴィルローもすぐそこにありますし。



CRARIDGE’S HOTEL Mayfair
ロンドン最中心部メイフェアにあり、アールデコな歴史あるホテル、昔から各国の首相や銀幕スターが泊まることでも有名です、僕が80年代このホテルの前を通った時には、ソ連のゴルバチョフ大統領が宿泊、非常に厳守な警備がされ驚いた思い出も。今年も我が天皇ご夫妻の宿泊ホテルとなった事をテレビで知りました。
そんなVIPなホテルに何故まるで似合わない僕が泊まったかと言うと、やはりこれもホテル内のBARに行きたかったからです。(僕が思うにホテルのバーは、ビジターで入るのと予約で入るのでは気分が違う、住んでいるのなら行きませんが、ツーリストですから興味ある事を潰していきたかった) 恐らくこのホテルに泊まって深夜のナイトクラビングをやったようなアホな客はあまりいないのではと、ロックスターは別として。
圧倒されるロビーや各コーナーのインテリアは、僕にも平等に迎入れてくれました。セキュリティの厳しさはこのホテルの政策上当然の事ですが、それに慣れればスタッフはさすがの三つ星!二日間だけのドリームでした。
第一目的のBARは感動モノでした、完璧なインテリアとバーテンダーに圧倒され、宿泊客でなかったならあれだけ楽しむ事はできなかったでしょう。やはり、その後、ビジターで訪れた際は、それほどでもなく、地元ビジネスマンの喧騒に負けてましたから。
メイフェア・エリアは、ボンド・ストリート、セヴィルロー、バーリントン・アーケードなどクラシックなショッピング・エリアの隣、便利さも最大なのは言うまでもありません。



素敵なホテルは、他にも色々あるとは思いますが、所詮一人のしかも年に1~2度の訪問ですから、こんなところでしょうか。ホテルサヴォイやホテルリッツなど観光客に人気のホテルは避けました。また、イギリス特有のBed & Breakfast 形式のホテルもイギリスっぽく値段も手頃なので、度々間に挟みました。
ホテルはそのエリアの中心、ポジションだけでなく文化的にも意味があります、ですからホテルを決める際は、まずは興味ある場所から、という事は日本の旅行でも変わりません。是非、よい旅を!
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