慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / アイビー誕生から60’sまで

Kayこと慶伊道彦のCoffee Break

スタイルの一つとして認知されたアイビースタイル、今回は基礎編という事で、アイビーリーグスタイルと日本のアイビールックの成立ちや本場との違いなど、語りたいと思います。

なんと!1920年には、もう IVY STYLE は、語られていました。プリンストン大学在学時執筆されたスコット・F・ジェラルドの ”楽園のこちら側” には、寄宿学校での生活スタイルを描く中でアイビーと書かれています。

“ 皆が彼のようなスタイルをして、彼と同じ話ぶりをしようと努め、、、”

上流階級は勿論ですが、そこに入り込もうとする人や憧れる人にとっても、IVYスタイルを一ヶ所のミスもなく完璧に身につけることで、(ディテールをなぞることで ) 実に上流らしく振る舞うことが出来たのです。

選ばれたエリート青年たちのサークル入部をチェックする際、グループの ”べからず帳” みたいな暗黙のルールがあり、そこからディテールを決め出したようです。まさに、WASP STYLE がルーツで、当初は、やはり英国オックスフォード校のコピーから始まりました。

アイビー・リーグ・スタイルという名称で表に出て来るのは、1933年、NY.ヘラルドトリビューン紙スタンリー・ウッドワード編集者の記事からとか。

名門校ゆえか超弱い8校によるアイビーリーグ。アメフト観戦の学生達は、応援の際、服装の艶やかな事が注目される!記者は、ヘタなプレーヤーを見るよりオシャレな応援団の服装の方が記事になると考えたようです。その際に、”アイビー・リーグ・スタイル”と名づけました。

ファッションとして世にでるようになるのは、1955年 、IACD 公認スタイルとして認知されて、一般人もIVYを真似るようになりました。こうしてアイビー・リーグ・スタイルの誕生となったわけです。

IVYと言う言葉には、エスタブリッシュメント、保守性、普遍性、などの意味合いが隠されていて、アメリカのアッパークラスを指すのに最適な表現と言えます。そのスタイルのアイコン的な店が、NYマジソンAV. 44th ストリートにある Brooks Brothers でした。また、その隣にあった J.Press のスタートは、エール大学に隣接するショップでした。

アイビー・リーグ校 / 8大学
*上記は引用写真です*

日本で、アイビーが始まったのは、意外にも早く1954年、MENS CLUB の前身 “男の服飾読本” が創刊されましたが、1956年には、もうすでにアイビー特集をやっています。僕もこの雑誌を読みましたが、本当にこの雑誌は56年発行なの?と疑う位良くできた雑誌です。

*貴重な特集雑誌*

MENS CLUB は、1963年/12月号に創刊されました。”男の服飾読本” が名前を変えての発行。54年創刊からの経過とVAN JACKET の発展は同時に進みます。編集の多くに、VAN 石津祥介氏とくろすとしゆき氏が関与されていましたから当然といえば当然といえますね。

幻のアイビー特集号、入手困難

1964年/夏 東京オリンピックの年、かの有名な ”みゆき族” が、銀座みゆき通りを闊歩するわけですから、54年に紹介されてわずか10年で、日本独自のアイビールックが確立された訳です。一般人に広まったという点ではアメリカとほぼ同時代のスタートと言うから驚き!最も、日本にはWASPという階級は存在していなく、街の若者からの流行ということですが。

60年代半ば、本国アメリカでは反戦運動が活発になり、すでにアイビーがすたれてしまっていたにも関わらず、日本では、その後10年間!さらに人気が高まっていきます。これは、VAN と MENS CLUB の功績といえるでしょう。

*街のアイビーリーガーズ* につながる第一回
アイビー先導者たち
VAN イメージイラスト / 上記はMENS CLUBより引用

63年頃から70年頃まで、アイビー全盛期を迎えるのですが、日本では当時アイビースタイルとは言わず、”アイビールック”として広まりました。結果として、日本独自のアイビー感がこの時に培われたのです。また1965年に発行された “TAKE IVY” この本が、僕たちのバイブル、そしてスタイルの原点となりました。

2010年、発行元がアメリカ出版社と言うことで洋書!本家の日本が逆輸入!

みゆき族、その後アイビー族、彼らを兎角世間を煩わせる若者の風俗として世間は捉えていましたが、石津謙介先生はコレに反論されていらっしゃいました。いつの時代も既成の打破には大変なエネルギーを必要とされます。

アメリカのWASP的な IVY STYLE と違い、日本のアイビー・ルックは、若者による独特な味付けがありました。例を挙げれば、<ダークカラーを愛でる> チャコールグレー、チャコールブラウン、オリーブグリーン、オックスフォードグレー、ネイビーブルー、ワインレッド、<バンカラを気取る> 洗いざらし、ほつれや生地痛みを気にしない、<黒ニットタイ> <ミスマッチな組み合わせ> <靴だけはピッカピカ> <猫背歩き> <エクストリームIVY> (勿論アメリカでもよく見られるスタイルもありますが) やはり、支持者が圧倒的に若いと言うことが、ストリート感な方向に向かったのかと。

アメリカでは、大学卒業と同時にブルックスブラザーズで購入する社会人トラディショナル・スタイルとなるのが通例てした。

*MENS CLUB 絵/穂積和夫*
MENS CLUB 絵/穂積和夫

60年代アイビーは、オーセンティックなネオアイビーと言えます。ディテールを厳格に守るスタイルです。簡単に特徴を述べると、

ジャケット 3ボタン 上二つ掛け/ 袖2ボタン      ラベル幅ー3inc, マシーンステッチー1/4inc. ボタンスタンスー13cm , 袖ボタン幅ー2.5cm , フロントカット/ラウンドアウェイ, フックベント,

パンツ パイプステム, プレーンフロント, バックストラップ, ベルトループ 1inc.

他 ナチュラルショルダー, ボックスシルエットシャツ/ボックスプリーツ, ループ, フロントパネル, ボタンダウン, バレルカフシングル、、、

MENS CLUB より引用 / アイビー・ディテール
“男の服飾読本” より

いや〜〜こりゃ〜大変だあ〜しかしまだまだこんなものではなくもっともっとあると言っておきましょう。

IVY STYLE 集合 / MENS CLUB 50号記念より

“上記写真は全て、自分の雑誌より自分で撮影して引用したものです”

また、映画からの影響も非常に大きいです。60年代ハリウッドスターのスタイルは、基本アイビーだと言えますから。特に、僕にとっては、アンソニー・パーキンスとジョージ・ハミルトンの映画を観て、衝撃を受けた思い出が強いです。何度も観に行って猛勉強しましたから。当時、田舎から出てきたばかりでアイビーの事は何も知らなかったですし、その意味でも、ハリウッド映画が学習の基でした。

アンソニーパーキンス ”のっぽ物語”
ジョージハミルトン “ボーイハント”

雑誌メンズクラブを主に参考にして、オールドアイビーについて語りました。60’s アイビーの基本知識

(この投稿は、一昨年のブログの改訂版です)

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