慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / Brooks Brothers 物語

Kayこと慶伊道彦のCoffee Break

MENS CLUBより引用

Brooks Brothers 僕たち団塊世代にとっては、ブルックスブラザーズのレシピは神様のお告げと言う時代が長らく続きました。右手にVAN, 左手にブルックスブラザーズといった具合に!

Brooks Brothers Book

当時、カタログを一冊でも持っている輩は、おおもて、お坊ちゃまの証!1ページ1ページ食い入るように、顔がくっ付くくらい仲間で近くに寄り。

カタログ、上は60年代、下は70年代 *引用写真*

僕が初めてニューヨークBB本店の重い重い扉(本当に重いのです)を押したのは、1971年。勤務先に恵まれその時代としては若い年齢で出張させていただきました。勿論、いわゆるカバン持ちとしてでしたが。当たり前なのですが販売員が全てトラディショナル・スタイルでとても上品に感じました。陳列された品々もアイビー感が圧倒的なスケールで迫り、当時はまだエスカレーターが設置されてなかったので、ワンフロア毎の階段を恐る恐る登った記憶も思い出。それらは、それまで雑誌でしか知らなかったアイビーの世界があり僕にとって革命的な出来事だった事を、今でも鮮明に覚えています。歴史的遺産のエレベーターにもビビった思い出があります。

60年代、NYマジソンAv. 本店 / 引用写真

ブルックスブラザーズ(以降はBBで) 創業は、なんと!1818年、およそ200年前 (日本では文政、大塩平八郎の乱があり、大久保利通が生まれた年、幕末前夜といったところ)

店は、チェリーストリートとキャサリンストリートの角と言う事で、現在の恐らくイーストリバーのウォーターフロントあたりになるかと。

1850年、社名をBrooks Brothersとし、例のマーク、ゴールデンフリースの誕生となります。このトレードマークは、諸説ありますが、ギリシャ神話の金の羊毛をモチーフにしたと伝わっています。

ゴールデンフリース

大躍進した理由に、陸軍、海軍の将校との関わりがあります。当時、アメリカも内戦が多く、米英戦争、メキシコ戦争、そして南北戦争と続きます。BBはその際の士官の正装用軍服を引き受けていました。おのずと士官が軍服を脱いだ後も、ブルックスブラザーズのスーツを愛用する事になります。リンカーンが暗殺された晩に着用したフロックコートはBBというのは有名な話です。

ブルックス・ブラザーズ展より

1915年、44丁目 X ブロードウェイに本丸新店、現在の 346 マジソンアヴェニュー店がオープンしました、”346” は、ブランドの一つになっています。

ところで、BBが初めて商品化したものも多いのです。社長のジョンEブルックス氏が英国でポロ観戦した際、プレーヤーのシャツ襟にボタンが付いていたことをヒントにして、POLOカラーシャツを世に出したことは有名な話ですよね、ボタンダウンシャツの誕生の話。

暑い夏のニューヨーク、紳士のスタイルに何とか清涼感をと考えて、誕生した品々も多いです。マドラスジャケットやマドラスショーツ、そしてシアサッカースーツ、ココナッツ・ストローハットもそうです。中米に多かったストローハットを都会化させました。

クラシックスタイルが基本ですが、流行にも敏感でした。ダクロンという化学素材を使ったシワになりにくいダクロン・ウーステッドスーツもそうです。当時流行りのウォッシュ&ウェアに沿った物です。”シャレード”で、Cary Grantがスーツを着たままシャワー室でシャボンをぬるシーンを思い出します。

また、BBのオリジナルのポロシャツ、ラコステと違い、襟の長いイングリッシュカラー、ボタンは4つ、素材もポリ50%コットン50%

レジメンタルタイもしかり。写真で見て、ストライプが左手から右手に45度流れています。元である英国は逆に右手から左手に流れます。差別をするために変えたと言われています。

“The Love Story” より、BB Regimental Tie

BBと言えば、本質を知る者に愛される服というキャッチフレーズ!昔から良家の坊っちゃまとか高所得者というだけでなく、高い知性やマナーを備えた人々に本物の服を提供すると言うのが、基本精神。これがディテールの継承となっています。

1918年、100年を記念して作成された冊子

僕が、初めてNY店に訪問したのは、50年前!その後残念ながらBBは、ひとまずその歴史に休止符をうち再建を目指す事になりました。一昨年、マイケル・バスティアンが新クリエイティブディレクターに就任、彼は根っからの70’s プレッピー世代なので、ブルックスブラザーズとの融合で伝統を重んじた新生BBに注目したい!Brooks Brothers は、IVY STYLE の灯台守としての役目を、永遠に続けていかなければならないと言う使命がありますから、これからもマイナーチェンジを続けながら、生き残るべきブランドです。

*Brooks Brothers IVY Exhibition 写真*

“以上の写真は、全て引用です”

<この投稿は22年ブログの改訂版です>

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