Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
1 : アイビー・ルック 発生史 / 星野醍醐郎著より
アイビー発生には、二つの説が考えられる。1870年代とも1930年代とも言われている。

1870年代説、アメリカにおける背広の初期時代であり、そのあたりのことはリンカーン大統領とブルックス・ブラザーズという当時の代表的な事柄から思い起こされる。(以前、ブルックスブラザーズ展にてリンカーン大統領のウェアが展示されていました)
伝統的 (トラディショナル) スーツ誕生は、ここからスタートしたと考えるのはおかしくはない。
1930年代説、アイビー・リーグ・モデルの前身にユニバーシティ・モデルというスタイルがあり、東部の名門校で誕生。これが、アイビー誕生説に当たる。その後、このスタイルが進化して、1954~56年には、アイビー・ブームが全米で起きる。
さまざまなアイビースタイルが起こり、例えばNYの自由人たちのグリニッチ・アイビーとか。ジャスマンの独特なJazzyスタイルとかもあり。
そこで、混乱するイメージを整えるためにアイビー・スタイルの定義を定める必要が出てくる。1958年、IACD(国際衣服デザイナー協会)が、アイビー・リーグ・モデル(アイビー) を、公認スタイルとする。これがアイビーの誕生である。
そしてアイビー・ビジネスの拡大のために、普通体型以下の人にも好んで着てもらえるようにする必要があり、それがモディファイド・アイビーができるまでの簡単な過程だが、概して身長の高いWASP向きなアイビーを、一般に似合うようにディテールを工夫した。


2 : 当時のスポーツ・ジャケット/ ブレザー・コート

アイビー・ブレザーには二つの種類があり、一つはアイビー・ストライプでつくったもので、グレー系統の渋めな柄が多い。昨今ブレークしているはっきりとしたストライプ柄でなく、あくまでも渋い色合い。もう一つは、紺フラノのブレザーである。ブレザーといえば、紺ブレとまで言われる。パブリック・スクール・カラーのブレザーは、各地卒業生が持ち帰ったヴィンテージから、広まる。80年代、プレッピーブームから、ようやくカラー・ブレザーの裾野が広くなる。
3 : MENS SHOP / TRAD SHOP

いわゆるトラッドなメンズショップは、60年代から70年代にかけて、全国6大都市だけでなく全県にありました。昔からの洋品店がVANを導入して、リ・オープンする例が多かったようですが。当時、VANの店主は、地方ではトレンドの名主として崇められていました。
それが、POLO が日本に上陸した頃からちょっとした変化が出てきました。新しいアイビーについていける店とそうでない店、分かっていても商品の手当ができない店など、色々な理由がありますが、厳しくなってきました。それが70年代半ばの頃です。さらに、70年代後半には、VANが倒産!完全にそれまでは何とか各地No. 1の地位をキープしていたショップも、それができなくなりました。この難局を乗り切ったメンズショップは、チェーン店を除けば数える程です。
アイビーの本場アメリカでも事情は同じで、ニューヨークの J.Press でさえ整理され経営者も変わりました。


70年代、メンズショップ店員は、若者たちのアイドル的存在で、兄貴分として生活の悩みなどにまで関わっていました。アイビーを売るというより、スピリットを伝える役割を担っていましたし、本人たちも自覚していました。自信がそうさせたのですね。
現在、メンズショップという名の店は、あるにはあるが、当時の接客スタイルと随分違うのではないでしょうか。それは販売スタッフ側だけの問題ではなく、お客さま側もそこまで求めていないのかもしれません。これが時代の変化というのでしょうか。少し、寂しい気がしますが。
最後に60年代~70年代前半、若者たちに影響を与えたMENS SHOPを羅列しますが、あくまで僕が当時訪れたり、お付き合いしたりした感想からの選抜です。他にも地元の若者に多大な影響を与えた素敵なショップは、各地にありました。懐かしい想いで名前を見る方もいらっしゃるかと。
関西 : 大阪テイジン、ロク、トラヤ、シンコウ、フタバ、尼崎ナカガワ、神戸フナキヤ、マック、京都ピノチオ、イノハナ、姫路キャプテンタマキ、和歌山蝶屋、
関東 : 東京テイジン、三峰、イセヤ、カワムラ、春木屋、元町信濃屋、ポピー、横浜トクナガ、上野ミドリヤ、ツルヤ、赤羽愛好堂、浦和GENTS、熊谷ナミキ、
他 : 山梨タケヤ、静岡DUKEトクナガ、浜松COX、名古屋カトウ、豊橋エース浦柴屋、岐阜ハトヤ、岡山スナミ、広島さだや、モリシゲ、尾道チェック、高松銀蝶、高知鳩屋、松山サツキ、福岡タカラヤ、岩久、健軍ケント、
百貨店 : 銀座そごう、日本橋白木屋、新宿小田急、難波高島屋、名古屋オリエンタル中村、福岡岩田屋、他
(写真は全てMENS CLUBから引用)
今回は、以前掲載の記事を修正したものです。
#michihikokeii #ivy #ivystyle #ivylook
Insta/ @kay.Ivy.album
YouTube