慶伊道彦 IVY TEXT / ディテールを活かすテーラード術 FABRICS

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

アメリカン・トラディショナルは基本が既製服なので、テーラーでオーダーすると言うのは簡単ではない。考えもしていなかった服となる場合もあるから注意したい。イギリスやイタリアの方に目が向いているテーラーにはミシン縫製がつまらなくアイビーには余計な技術を使います。何故オーダーするのか理由を明確にしてから臨むべし。

Tailor CAID で2010年前後にオーダーしたグレー・スーツ

生地選び

サージ 日本では学生服で見慣れている生地、そのせいか安っぽくみられがちだが、特にグレーのウールサージは色も豊富で揃える楽しみがある。パンツによく使い、チャコール・グレー、ミディアム・グレー、ライト・グレーと3色揃えると使い勝手が良い。

フラノ アイビー・スタイルには、よく使用される生地、ブレザーでお馴染みだが、スーツに使うには、もう少し柔らかめなフラノとなる。

ウーステッド・フラノ 薄手でソフトな生地なので、スーツに使いやすいです。少しだけ起毛感もあり、エレガントさが増す。

ウーステッド 一番スーツに選ばれる生地、フラノと比べると薄手でしっかりしている織り方なので、スーツにむいている。無地のスーツを卒業したら、ペンシル・ストライプやグレンチェックを楽しみたい。

ツィード / ハリス・ツィード ヘリンボーン柄から入り次はガンクラブ・チェックへと入るが良い。近年は、軽量化を求める方のための軽いツィードが人気。

キャッツ・レッグ
ホームスパン
ホップサッキング

タータン・チェック ブレザー、ベスト、パンツ等、アイビー・スタイルには欠かせない柄。チェック柄も様々で、洋服以外の色々なアイテムにも使われる。

フランネル薄手の生地では、グレンチェックやガンクラブチェックなどの柄で、ジャケットでなくスーツにも仕立てる事ができる。

スーツに使える各チェック柄

バースアイ グレーのバーズアイは、ビジネス・スーツにピッタリ。ベタな無地ではなく立体感が出ており、風格を出しやすい。まずはグレー系からスタート。

ストライプ ペンシル・ストライプ、チョーク・ストライプ、バンカー・ストライプ、他にも種類が豊富にある英国調生地の代表。英国ボンド街に端を発する古典的なスーツ用の生地。シティのバンカー御用達ゆえ金融業界のスタイルと言われる。アイビー以前の、ケーリー・グラントやフレッド・アステアが着たスーツ・スタイルはエレガントで憧れる。

ラルフ・ローレンが得意の白黒のフラノ合わせ、グレン・チェック、ハウンド・トゥース・チェック、ヘリンボーン、これらをジャケット、パンツ、ベストにバラバラにして組み立てする事をポロ・スタイルから学ぶ。

ガンクラブ・チェック ツィード生地の王様的な柄、特にハリス・ツィードで織られたガンクラブは一生モノというより、三世代モノと言える。

ダイヤゴナル 太い綾織ウール生地、右上から左下へ45°の織り目が出る。ジャケットに使われるが、昨今はヘリンボーンに人気を奪われ見られない。

ウインター生地の最後は、コーデュロイ。細い畝(ピンウェール)はスーツをスマートに魅せる。中畝は、スーツ、ジャケット共に使えるが、ややカジュアル感が増す。最近はこちらの方が人気。そして太畝のコーデュロイはよりカジュアル感が増す。

ジェームス・コバーン/細畝コーデュロイ
中畝コーデュロイ
太畝コーデュロイ

夏モノ生地はフラットゆえか、冬モノ生地と比べて数も少ない。リネン、シアサッカー、マドラス・チェック、バティック・プリントやコットン・プリント、などで、色で勝負。

Paul Stuart より

マドラス・チェック 60年代のマドラス・チェックは色落ちが普通、そのためのトラブルも時にはあるのだが、それ以上にナチュラルな味わいを感じることがでる。現在のマドラスは、色落ち防止加工が施されているので色落ちには安心だが、なんとなく平べっく感じ味わいもやや薄れる。

クレージー・マドラス・チェック/2000年代に入り復活

シアサッカー 夏の王様!爽やかな色合いでシワにもなりにくく夏のスーツには欠かせない。固いお役所勤めの方には無理だが、それ以外の方にはお勧めの一着。ネクタイをしても外してポロシャツを入れても様になる。

コットン・ギャバジン 夏のアイビー・スーツといえば、コットン・ギャバジン。リネンの持つエレガントさはないがむしろアイビー・ディテールにはピッタリとはまる。

バティック・プリント マドラス・チェックも同じだが公害問題で、現在では昔のような渋い色柄のバティックは見当たらない。

シャツ生地/オックスフォード ボタンダウンシャツで一番使われる生地だが、昨今、シャツ・ジャケットなるジャンルができ、サマー・ジャケットとしても活躍するようになる。ノーパット、ノー裏地のアンコン仕立て。

シャツ生地の人気柄、ロンドン・ストライプ、ギンガム・チェックは、色も豊富でサマー用として人気が高い。

秋冬物として、タータン・チェック、ガンクラブ・チェック、グレン・チェック、オーバー・ペイン、などがある。

ここでは載せてませんが、他にもたくさんのアイビー生地がある。素材ではシェットランド・ウール、柄ではタッターソール・チェックなど、表地だけでなく裏地でも楽しめる。

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