KayのCoffee Break
60年代 MENS CLUB より、アイビーの後にブレークしたコンポラ・スタイル、その魅力を検証する。
67年前後から、コンポラ・スタイルに若者の意識が移っていく。(勿論、変わらずアイビー一本という方も多いのですが)
当時、アメリカ60年代公開のテレビドラマは非常に多く、まさにテレビ全盛期を象徴、サンセット77(58年より〜)、サーフサイド6、ルート66、バークにまかせろ、逃亡者、0011ナポレオンソロ、スパイ大作戦、これらの主演スターのスタイルがいわゆコンポラと言われるアメリカン・コンテンポラリー・スタイル、実に新鮮にまた憧れな大人なスタイルという感じで、アイビーで初めてアメリカン・スタイルを知った若者の間にあっという間にトレンド入り。僕らのファッション談義は、エフレム・ジンバリスト・ジュニアやデヴィッド・ジャンセンの着こなしの話で盛り上がる。今日の若者よりは、大人の男のスタイルに憧れがあったのでしょう。






MENS CLUB は、67~70年頃にかけて、コンポラ・スタイルを盛んに取り上げています。アイビーの下火(と言うよりは選択肢が広がった感じ)、そしてその後のPOLOがやってくるまでの5年間くらいは、サイケやコンチなど色々なファッションの切り口を探していく時代でした。
アイビー派は、まずはアイビーを頑なに守る若者と、アメリカンなのだがコンポラに進む若者に分かれました。僕は、どちらかと言うと、コンポラ寄りのアイビーというズルいと言うか今風というか、そんなスタイルでしたね。


さて、コンポラ・スタイルの特徴は、ラペルのノッチの形にでます。ラペルのノッチ(ゴージーの先にある、くの字の切り口) は様々あるが、コンポラ派が最も好んだのは、セミクローバー、あの先端が丸くなるカーブに惚れたものです。セミ・クローバーには、上衿が丸くなるものと、下衿が丸くなるものがあるが、多くは下衿が丸くなっているもの。

フィッシュ・マウス、魚の口がごとく小さな切り込みが入るラペル、ハリウッド・スターが好んでやっていた。





コンポラは、肩のラインもナチュラル・ショルダーを少しだけ大きくしたり、ウエストの絞りも非常に軽く、ミシン・ステッチもアイビー調の5~6mmとアイビーの良さを継続した感じ。現代では、スーツのステッチはないものが多く、またはあってもハンド・ステッチ風にしたりミリ単位のステッチだったりしますから、当時の若者がいかにアイビー調からの継続を望んでいたかが分かります。
下記の写真などは、現在のオーバー・サイズなアイビー・スタイルとシルエットはさほど変わらない。まさに、今の旬なシルエットと言える。こんなスーツは、即着てみたいですね。

コンポラ・スタイルも、73年頃にはラルフ・ローレンのPOLOが並行輸入されてきたり、また国内メーカーもその匂いを嗅ぎ、コピー・ラインの企画をさかんにやっていきます。当然、コンポラの終焉となりました。この間のアパレル業界の大変革は、僕もネクタイの菱屋で、74年にPOLOの国内ライセンスを成功させていましたので、思い出深い時代です。
67年から70年までのメンズ・スタイルの動きを語ってみました。
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