慶伊道彦 IVY STYLE 談議 / IVY本の自主出版

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

“In Love with IVY” 恋するアイビー

初めての自主本ですが、それなりの出来栄えとなりました、僕としてはですが。しかし、経験と資金の不足もあり、やり切ったと言う感じにはなりませんでしたね。ところが運良くこの本が完売となり、もう一度制作できるチャンスがやってきました。そこで、第一版はページ不足 (175 page) ゆえ、出しきれなかった写真と文章をもう一度引っ張り出して再編集を試みしました。223 pageと第一版より50 page弱増やす事ができたので、そこそこの情報量を詰め込んだと言えます。今の僕のレベルでのアイビー本としてはこれ以上はない出来栄えとなったと思います。そして、第二版の名前は、”Director’s Cut” と名づけました。(本来は映画で監督が作品を再構築させる事を言いますが、あえて)

価格設定が高くなるため、表カバーをつける事ができましたので一捻りしたいと考え、イラストレーターの巨匠綿谷画伯にお願いして (第一版もでしたが) 、まず分かりにくくて明らかに違う部分を付け加えて頂きたいとお願いしました。また、バックカバー・イラストは、友人の大平氏に新たな絵を制作して頂きました。徹夜だったようです。そんな具合に第一版と第二版は、ざっと見た目は同じ本になるようにしました。

本文では、ワザと意識してやったり、あるいは凡ミスだったり、結構あちらこちらに違いを設けました。曰く”ウォーリーをさがせ!”的楽しさも味わえたらと考えて。是非!探してください。アイビーを堅苦しい理論書としてではなく、あくまでスタイル好きの教科書という位置付けにしたいと思い、敢えて気取りのない本としました。

Director’s cut / Enlarged & Revised Edition   増補改訂版 *223 pages*

表紙カバー付き/ With New Jacket Cover

*English book with Japanese text*

Format: length 195mm×width 140mm 

Price : ¥3960 (税込) +freight rate

文章追加(恋するアイビー、アイビー・スクール、コラム) 、スタイル写真の入替 、エッセイ・アイテムの追加、その他の追加と入替

Main Dealer

マグニフ神保町店

Magnif / info@magnif.jp

http://www.magnif.jp  @magnif_zinebocho

(International shipping is available) 

Shop

BEAMS / B印マーケット/個人商店

[Hideki Takahashi]

@takahashi.hideki.790

発売日は、2025年12月07日、よろしくお願いします。

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / アメリカン・スタイル 50年代から60年代をみる

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

メンズファッションは、オールド・エージのエッセンスを取り入れる流れが始まってきています。そこで、50~60年代のアメリカン・スタイルの流れを簡単におさらいしてみたいと思います。

IACD (国際衣服デザイナー協会) 60年代終わり頃までメンズ既製服メーカーの流行をリードしていたデザイナー団体。50年代に入り紳士服はボールド・ルックからナチュラル・スタイルへと変わります。いわゆるアメリカン・トラディショナル的なシルエットが誕生します。

1958年、IACDは、4つのモデルを公認します。1.アメリカン・ナチュラル、2.アイビー・モデル、3.アメリカン・アンバサダー、4.アメリカン・エグゼクティブ・モデル、ここで、ようやく若者に人気があるアイビー・モデルが正式に認められたわけです。むしろ認めざるを得なくなったくらいの強い影響力があった訳です。

アメリカン・アンバサダー・モデル、縫製技術の進化でヨーロッパ的なオーダー感覚を取り入れることが可能になり、ややコンケープした肩、狭いラペル幅、軽く絞ったウエスト・ライン、ボタン間隔が狭い3つボタン中1つ掛け、など後のコンポラ・スタイルへと繋がるライン。

モデルはその後、アメリカン・コンチネンタル・モデル、モディファイド・アイビー、コンポラ、エグゼクティブ・モデル、へと整理される。

アメリカン・コンチネンタル・モデル、肩は軽く角張ったコンケープ、上着丈は短く、二つボタン、ウエストラインをボタン位置におき、前裾を大きく丸くカットのラウンド・アウェイ、ラペル幅は狭く長いVゾーン、浅いサイド・ベンツ、斜めにきった箱ポケット、などフランスとイタリアの流れをアレンジしている。

初期のコンチは、多分にブリティッシュの影響を受けていたが、その後フレンチ風味付けとなっていく。

コンポラ、肩がやや角張っているがコンチほど広くはない、肩付けは前側で胸周りをタイトにスッキリさせる、長めのラペルでVゾーンは広く取り、ポケットは両玉縁やスラント、ベンツは無しか12cmほどの短いサイド・ベンツ、パンツのシルエットは膝から裾にかけて細くノーベルトが多い、よりエッジの効いたシャープなシルエットとなる。黒人のジャスメンやハリウッド・スターの愛用から人気沸騰する。ラペルやポケットに個々の好きなディテールを入れられることが人気となる。

セミ・ピーク、クローバー・ラペル、セミクローバー・ラペル、フィッシュマウス・ラペル、Lラペル、、

モディファイド・アイビー、アイビーがエクストリーム・アイビーやジャジー・アイビーとなり、それがヒップという事で大人気となったため、従来のアイビー・モデルを時代に合わせて修正する必要が出てきた。それがモディファイド・アイビー。ナチュラル・ショルダーはキープして、ラペル幅をやや広く、3つボタンの上は折り返しで残し、ボタン位置で軽くシェープ、フックベンツをセンターベンツとする。上着丈も短めとなる。それまでの長身者専用から万能体型にも合うように修正された。今日のアイビー・モデルは、このモデルの進化系である。また元のアイビーは、オーセンティック・アイビーと呼ばれる。

モディファイド・モデル

IVYとBritish のシルエットの違い

コンポラ

セミ・クローバー・ラペル
短い上着丈
スリムなシルエット
パンツはノーベルト、シングルカフ
フラットな前たて
1つボタンもあり
Hollywood style W、両玉縁ポケット

(写真は、MENS CLUBより引用しました)

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / IVY 60年代から80年までを検証

Kayこと慶伊道彦のCoffee Break

65年の夏、”みゆき族”騒動がアイビーの始まりと一般的に捉えられています。実際、64年冬にMENS CLUBが発売開始となり、VANの提案するアイビー・ルックが若者をとらえます。”ねばならぬ”的な厳格なルールを持つアイビー・ディテールにハマったのです。。65年からのおよそ2年間は、Authentic IVY と呼ばれるスタイルがトレンドとなり、メンズファッションが開花します。しかしアイビーの本場アメリカではすでに進んでいたのですが、日本でも67年頃から、アイビーに陰りが出始めます。メンズファッションに目覚める事で、従来男の身だしなみ的な紳士スタイル一辺倒から脱皮し、イギリスではなくヨーロッパのスタイルが流行り出します。これがコンチネンタル・スタイル、いわゆるコンチと呼ばれるスタイル。既製服技術が上がることで、マシーン・メイドに有利なズン胴ストレート・シルエットに替わり、やや広くスクェアな肩、軽く絞ったシルエット、丈が短い丸いラウンドアウェイなど、当時新鮮なスタイルが発表され人気がでます。

多様化は、ますます進み、アイビーから始まった流行は、トラディショナル、コンポラ、コンチ、ヨーロピアンクラシックと広まっていきます。このうちのコンチ・スタイルについては次回詳しくお伝えします。トラディショナル・メーカーは、KENTやクロシェドール、コンポラはRING JACKETやART JACKET、コンチはJUNやエドワード、などが支持されました。

70年代初めは、ファッションだけでなく世界中で社会変革運動がおき、揺れ動きます。ヒッピー、サイケ、ネオ・ロマンなどそれまでのルールでは考えられない運動が若者に広まります。一方ジェントルマン・スタイルでは、二つのスタイルが流れを作ります。一つはアメリカン・ナチュラル・スタイル、もう一つはアメリカン・コンチネンタル・スタイルへと。

アイビーを卒業?した社会人は、トラディショナル・スタイルとなりますが、流行りに敏感な方は、72年に上陸したPOLO ラルフローレンが提唱するニュー・トラディショナル・スタイルへとかわります。ビック・ラペル、ビック・タイ、ワイド・パンツなど新しいディテールがアイビーに取り入れられ人気を得ます。また英国のディテールが取り入れられブリティッシュ・アメリカン旋風が起きました。

75年にPOLOのライセンス生産がネクタイから始まり、翌年には西武百貨店が独占販売。70年代後半は、アウトドアとプレッピーがブームとなり、アイビーの裾野が広がり人気奪回、Back to IVYが進みます。ただ、新しい流れに翻弄されてきたVANは消え、アイビーの覇者はPOLOとなりました。国内メーカーでは、ニュー・トラディショナルのAVON HOUSEが急成長しますが、その後、80年以降はセレクトショップの時代へと進みます。

65年から80年までのメンズ・スタイルの流れを簡単に述べました。

IVY と American Traditional
British Continental
Contemporary (コンポラ)
コンポラ
British と IVY

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慶伊道彦 IVY STYLE BOOK / 発刊日決定 6/27

Kayこと慶伊道彦のCoffee Btreak

昨年末に決意して半年!ようやく完成KAY•STYLE•BOOKが出来上がりました。全編アイビー愛で溢れた、僕らしい一冊に仕上がりました。

In love with IVY “恋するアイビー”

版型:縦195mm×横140mm
ページ数:175
価格:2200円(税込)

販売代理店 : マグニフ神保町店

気軽に見れ読める本となってますので、是非!机の隅に置いて、お仕事の休憩中に手に取って頂ければと。よろしくお願いします。

完成前の写真です
フロント•カバー
バック•カバー
スタート•ページ
目次1 (修正前)
目次2 (修正前)
内容1
内容2
内容3
内容4

“In love with IVY” 恋するアイビー

Kay Standard Style Book

*English book with Japanese text*

版型:縦195mm×横140mm / 175 pages

Price : ¥2200 (税込) +freight rate

販売店 / マグニフ神保町 / http://www.magnif.jp (International shipping is available.)

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慶伊道彦 IVY STYLE 映画 / “白い嵐” アイビー・ルック満載映画

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

“白い嵐”(White Squall)は、海洋学校での若者達の成長と友情を描いた1996年のサバイバル映画。この映画、今まで観ていませんでしたが、高校卒業前後、それぞれの悩みを持って集まった若者たちを描いた青春物です。映画の出来はさておき、(監督があのリドリー・スコットですから面白くないわけがない)、若者たちの衣裳が秀逸!60年代初期当時のアイビー・ルックをリアルに感じ取れます。また、1961年5月2日に帆船アルバトロス号が白い嵐によって沈没した際の当事者でもあったチャックによる手記を元にしているので、エピソードは少ないですがリアル感もあります。久々に良いアイビー・映画を観たなあ〜

オープニング、チャックがアイビー校を諦めスクール・セイリングを体験すると父親に語る場面から始まるが、何色とも言えない微妙なミディアム・カラーのハリントン・ジャケットにキャップ、ライトカラーのブロックチェック・シャツはオープン・シャツ、胸元から白のTシャツがのぞく。まさに60’s!

アルバトロス号に乗り込む若者たち、オーソドックスなアイビーと言うよりは、今からみるとプレッピー風な着崩しが観られ各人バラバラのカジュアル・ルックがいいね。

ホリゾンタルTシャツの時代、ストTシャツは復活しても良いでしょうね。映画では、白Tシャツが逆にフレッシュな香り。

衿から前たてに向かって、切り替えパターンのポロシャツ

二例とも、ありそうでない60’s シャツ

衿の切り替えがマドラスとは、60’sっぽいというかこのような面倒な仕立ては近年ではみないです。

途中寄港のニューオリンズ、バーボンストリート、思い思いのアイビー・ルック、ホワイト・パンツが良いね。また、当時は必ずTシャツを覗かせるのがルール。

やはり、シャツの下は、白のTシャツが原則、色物でもよくなったのは、70年代半ばあたりからか。

パーティ・シーンから、監督役のジェフ・ブリッジスは、コードレーンらしきサマー・スーツで。学生たちのダークマドラス・ジャケットが素敵!

意外にも、61年頃のボタンダウン・シャツのカラーは小さかったのですね。この映画から見る限りですが。それにしても、素敵なチェック・ジャケットの面々です。

タータンチェック柄のジャケット、そこにワンポイントのクラブタイを合わす。もし現代でやると高度テクニック。

レジメンタルタイを締めると、キリッとして魅せるのは60年来おなじですね。

タータンチェック・ジャケットにホワイト・コットンパンツ、ラペル幅といい、ネクタイの幅、ラウンド・ボタンダウンカラー、文句のつけようのないアイビー・スタイル。

とまあ〜、こんな具合に若者たちのアイビー・ルックが満載映画、何故それほど有名でないのか分からないが。きっと、映画としての評価がイマイチなのでしょうか、(でも楽しみましたが) 、実話に基づくので、それほどオーバーなエピソードがないことも関係あるかもと。

アイビー・ファンの皆さん!是非観て損は無いと思いますヨ!

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / 60’s アイビーの歩み

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

コンポラ・スタイル60年代後半の動きを前回お話ししましたが、そのスタイルを映画で観るとなお魅力が分かりやすいと考え、ピッタリの映画を一本ご紹介します。

有名な映画なので、皆さんご存知と思いますが、コンポラ・スタイルのクールさを実感できるかと。

1967年公開の “夜の大捜査線” “In the Heat of the Night” シドニー・ポアチエがエリートの刑事役、そしてキャラクターが強い田舎の警察官役がロッド・スタイガー。スタイルだけてなく、映画の内容としても素晴らしく面白い映画でしたね。

まずは、このスーツのラペルを見てください。セミ・クローバーのラペルです。それに第一ボタンの返りの甘さがいいですね。通常、ここがかえりきってしまい、二つボタンに見えてしまいますから。

この時代、ハリウッドでは、ショート・ボタンダウンのシャツが大流行り。コンポラのシルエットと合うのでしょうね。

カフも二つボタン、今日では普通でなんともないのですが、当時はこれもコンポラ的な要素。

上着のシルエット・バランス、肩幅を広くとり、逆エッジ。ボタン間隔を浅くして、短めな丈に合わせてます。

ネクタイ!二段の何気ないストライプもいいものですね。マルチなストライプはコンポラには御法度。

全身のシルエット、パンツはやはり裾を狭くとってます。シャープな典型的60’s アメリカン・スタイル。

以下、エンディングのシーンから選びました。二人の絶妙な距離感を楽しめます。

今シーズンは、アイビー・モデルをオーバーサイズさせたボックス・シルエットがトレンドですが、時代は常に変わります。近いうちにコンポラ風なスタイルが再来しても驚きません、ヒップなスーツ・スタイルですからね。今どきのクラシコ・スタイルにはないエッジの効いたかっこよさ、準備怠りなく!

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慶伊道彦 IVY TEXT / 60’s アイビー後のコンポラStyle

KayのCoffee Break

60年代 MENS CLUB より、アイビーの後にブレークしたコンポラ・スタイル、その魅力を検証する。

67年前後から、コンポラ・スタイルに若者の意識が移っていく。(勿論、変わらずアイビー一本という方も多いのですが)

当時、アメリカ60年代公開のテレビドラマは非常に多く、まさにテレビ全盛期を象徴、サンセット77(58年より〜)、サーフサイド6、ルート66、バークにまかせろ、逃亡者、0011ナポレオンソロ、スパイ大作戦、これらの主演スターのスタイルがいわゆコンポラと言われるアメリカン・コンテンポラリー・スタイル、実に新鮮にまた憧れな大人なスタイルという感じで、アイビーで初めてアメリカン・スタイルを知った若者の間にあっという間にトレンド入り。僕らのファッション談義は、エフレム・ジンバリスト・ジュニアやデヴィッド・ジャンセンの着こなしの話で盛り上がる。今日の若者よりは、大人の男のスタイルに憧れがあったのでしょう。

Sunset 77
Surf side 6
BURKE’S LAW
The Fugitive
The Man from U.N.C.L.E.
Mission: Impossible

MENS CLUB は、67~70年頃にかけて、コンポラ・スタイルを盛んに取り上げています。アイビーの下火(と言うよりは選択肢が広がった感じ)、そしてその後のPOLOがやってくるまでの5年間くらいは、サイケやコンチなど色々なファッションの切り口を探していく時代でした。

アイビー派は、まずはアイビーを頑なに守る若者と、アメリカンなのだがコンポラに進む若者に分かれました。僕は、どちらかと言うと、コンポラ寄りのアイビーというズルいと言うか今風というか、そんなスタイルでしたね。

二つボタン、カッタウェイはキープし、ミシン・ステッチもあるが、ラペルのゴージー部分に特徴がでる。肩も少しパットが入り、丈も短く軽いウエスト・ダーツも入る。
サイド・ベントになり、10cm足らずの極端に短い切り込みとなる。アイビーの気分を取り入れた、アメリカン・スタイルと言ったところか。

さて、コンポラ・スタイルの特徴は、ラペルのノッチの形にでます。ラペルのノッチ(ゴージーの先にある、くの字の切り口) は様々あるが、コンポラ派が最も好んだのは、セミクローバー、あの先端が丸くなるカーブに惚れたものです。セミ・クローバーには、上衿が丸くなるものと、下衿が丸くなるものがあるが、多くは下衿が丸くなっているもの。

引用写真

フィッシュ・マウス、魚の口がごとく小さな切り込みが入るラペル、ハリウッド・スターが好んでやっていた。

フィッシュ・マウス
クローバー・リーフとセミ・クローバー
6cm前後のスリムなラペル、当然ノッチの切り込みも小さくなる。この小さな切り口がコンポラの特徴となる。
前ボタンが一つとか、袖ボタンが一つのスーツもコンポラ派は好きでした。
50年代アメリカン・スタイル、映画 ”Right Stuff”より

コンポラは、肩のラインもナチュラル・ショルダーを少しだけ大きくしたり、ウエストの絞りも非常に軽く、ミシン・ステッチもアイビー調の5~6mmとアイビーの良さを継続した感じ。現代では、スーツのステッチはないものが多く、またはあってもハンド・ステッチ風にしたりミリ単位のステッチだったりしますから、当時の若者がいかにアイビー調からの継続を望んでいたかが分かります。

下記の写真などは、現在のオーバー・サイズなアイビー・スタイルとシルエットはさほど変わらない。まさに、今の旬なシルエットと言える。こんなスーツは、即着てみたいですね。

MENS CLUB ‘67 より引用

コンポラ・スタイルも、73年頃にはラルフ・ローレンのPOLOが並行輸入されてきたり、また国内メーカーもその匂いを嗅ぎ、コピー・ラインの企画をさかんにやっていきます。当然、コンポラの終焉となりました。この間のアパレル業界の大変革は、僕もネクタイの菱屋で、74年にPOLOの国内ライセンスを成功させていましたので、思い出深い時代です。

67年から70年までのメンズ・スタイルの動きを語ってみました。

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / 80年代 “MENS CLUB” でプレッピーおさらい

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

MENS CLUB 05/80 号、この内容が凄く勉強になるので、そこら辺を少し紹介します。

春夏号なので、スタイルも春夏物ですが、今後の動きとして、或いは来季の準備としてみてください。

80年といえば、70年代半ばに落ち込んだアイビーが徐々に復活するターニングポイントの年。プレッピーブームが起き、アメリカン・トラディショナルの再ブームを後押しする。

パンツのディテールの記事、実にわかりやすく書かれています。パイプドステム、フックベンツ、ポケットの仕様、カフ巾などアイビーの基本のキ!

ウォッチポケットの復活!昨シーズンから同じような現象が起きています。

チノパンをWカフスではく、チノをドレス感覚で!

ブルージーンズははかないが、ホワイトジーンズはオッケーというアイビー派は多いです。今シーズンはホワイト・ジーンズが合わせやすいので便利

カラーパンツが、チノパン、ワークパンツなどで登場。春夏シーズンには気になるアイテムです。

クラシックタイプのスニーカー、オーセンティックモデルが熱い!

他の記事や写真も古さを感じなく、あたかも今シーズン向けのような内容。80年プレッピーの動きは、今シーズンと同じだという事の証明。プルオーバー・シャツ、マドラス・パンツ、アイビーベルト、デッキシューズ、、、

右のモデル、ミニホリゾンタルのポロにサックスのコットンパンツ。左のモデル、コットンジャケットにネイビーのコットンパンツ。今シーズンだと、シアサッカー・ジャケットに置き換えてもいけますね。

ダークマドラスジャケットに、グリーンのポロシャツがピッタリとあいますね。淡いグリーン系のチノパンツも渋くていい。

80年代のバミューダショーツは、タイト!(それはそれでいいですが) 今シーズンのショーツは、もう少しゆったり目となっています。柄合わせは同じですが。

かたやオーセンティックなバラクータ・ガール、隣のボーイは、パンツにチノパンを持っていきマドラス地のハリントン・ジャケットで。クラシックなポロシャツを合わせるところがプレッピー!

下記のMcGREGOR の80年代コマーシャルがなかなかいいです。このペアの写真も素敵です。

昔を懐かしんで見るだけでなく、もう一度おさらい勉強する際のバイブルが “MENS CLUB” この80年/5月号は、特に特集号と言うわけでもないのですが、内容ギッシリの優れもの。是非!

この投稿は、一昨年のブログの改訂版です

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慶伊道彦 IVY TEXT / ディテールを活かすテーラード術 FABRICS

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

アメリカン・トラディショナルは基本が既製服なので、テーラーでオーダーすると言うのは簡単ではない。考えもしていなかった服となる場合もあるから注意したい。イギリスやイタリアの方に目が向いているテーラーにはミシン縫製がつまらなくアイビーには余計な技術を使います。何故オーダーするのか理由を明確にしてから臨むべし。

Tailor CAID で2010年前後にオーダーしたグレー・スーツ

生地選び

サージ 日本では学生服で見慣れている生地、そのせいか安っぽくみられがちだが、特にグレーのウールサージは色も豊富で揃える楽しみがある。パンツによく使い、チャコール・グレー、ミディアム・グレー、ライト・グレーと3色揃えると使い勝手が良い。

フラノ アイビー・スタイルには、よく使用される生地、ブレザーでお馴染みだが、スーツに使うには、もう少し柔らかめなフラノとなる。

ウーステッド・フラノ 薄手でソフトな生地なので、スーツに使いやすいです。少しだけ起毛感もあり、エレガントさが増す。

ウーステッド 一番スーツに選ばれる生地、フラノと比べると薄手でしっかりしている織り方なので、スーツにむいている。無地のスーツを卒業したら、ペンシル・ストライプやグレンチェックを楽しみたい。

ツィード / ハリス・ツィード ヘリンボーン柄から入り次はガンクラブ・チェックへと入るが良い。近年は、軽量化を求める方のための軽いツィードが人気。

キャッツ・レッグ
ホームスパン
ホップサッキング

タータン・チェック ブレザー、ベスト、パンツ等、アイビー・スタイルには欠かせない柄。チェック柄も様々で、洋服以外の色々なアイテムにも使われる。

フランネル薄手の生地では、グレンチェックやガンクラブチェックなどの柄で、ジャケットでなくスーツにも仕立てる事ができる。

スーツに使える各チェック柄

バースアイ グレーのバーズアイは、ビジネス・スーツにピッタリ。ベタな無地ではなく立体感が出ており、風格を出しやすい。まずはグレー系からスタート。

ストライプ ペンシル・ストライプ、チョーク・ストライプ、バンカー・ストライプ、他にも種類が豊富にある英国調生地の代表。英国ボンド街に端を発する古典的なスーツ用の生地。シティのバンカー御用達ゆえ金融業界のスタイルと言われる。アイビー以前の、ケーリー・グラントやフレッド・アステアが着たスーツ・スタイルはエレガントで憧れる。

ラルフ・ローレンが得意の白黒のフラノ合わせ、グレン・チェック、ハウンド・トゥース・チェック、ヘリンボーン、これらをジャケット、パンツ、ベストにバラバラにして組み立てする事をポロ・スタイルから学ぶ。

ガンクラブ・チェック ツィード生地の王様的な柄、特にハリス・ツィードで織られたガンクラブは一生モノというより、三世代モノと言える。

ダイヤゴナル 太い綾織ウール生地、右上から左下へ45°の織り目が出る。ジャケットに使われるが、昨今はヘリンボーンに人気を奪われ見られない。

ウインター生地の最後は、コーデュロイ。細い畝(ピンウェール)はスーツをスマートに魅せる。中畝は、スーツ、ジャケット共に使えるが、ややカジュアル感が増す。最近はこちらの方が人気。そして太畝のコーデュロイはよりカジュアル感が増す。

ジェームス・コバーン/細畝コーデュロイ
中畝コーデュロイ
太畝コーデュロイ

夏モノ生地はフラットゆえか、冬モノ生地と比べて数も少ない。リネン、シアサッカー、マドラス・チェック、バティック・プリントやコットン・プリント、などで、色で勝負。

Paul Stuart より

マドラス・チェック 60年代のマドラス・チェックは色落ちが普通、そのためのトラブルも時にはあるのだが、それ以上にナチュラルな味わいを感じることがでる。現在のマドラスは、色落ち防止加工が施されているので色落ちには安心だが、なんとなく平べっく感じ味わいもやや薄れる。

クレージー・マドラス・チェック/2000年代に入り復活

シアサッカー 夏の王様!爽やかな色合いでシワにもなりにくく夏のスーツには欠かせない。固いお役所勤めの方には無理だが、それ以外の方にはお勧めの一着。ネクタイをしても外してポロシャツを入れても様になる。

コットン・ギャバジン 夏のアイビー・スーツといえば、コットン・ギャバジン。リネンの持つエレガントさはないがむしろアイビー・ディテールにはピッタリとはまる。

バティック・プリント マドラス・チェックも同じだが公害問題で、現在では昔のような渋い色柄のバティックは見当たらない。

シャツ生地/オックスフォード ボタンダウンシャツで一番使われる生地だが、昨今、シャツ・ジャケットなるジャンルができ、サマー・ジャケットとしても活躍するようになる。ノーパット、ノー裏地のアンコン仕立て。

シャツ生地の人気柄、ロンドン・ストライプ、ギンガム・チェックは、色も豊富でサマー用として人気が高い。

秋冬物として、タータン・チェック、ガンクラブ・チェック、グレン・チェック、オーバー・ペイン、などがある。

ここでは載せてませんが、他にもたくさんのアイビー生地がある。素材ではシェットランド・ウール、柄ではタッターソール・チェックなど、表地だけでなく裏地でも楽しめる。

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慶伊道彦 IVY TEXT/ ディテールを活かすテーラード術 SHIRT

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

シャツのオーダー

アイビー・スタイルのシャツをオーダーする!これはいささか荒唐無稽な話、アイビーは元々学生がカジュアルに乱暴に着ても大丈夫なように多くのミシン・ステッチで仕上げられている。しかし、オーダー・シャツの魅力にハマる場合もあるので記す。

例えば、70年代のハリウッドスター・スタイルの一つに、ハイ・カラーのボタンダウン・シャツがある。通常は襟高4cmだが、4.5~5cmと高い衿腰となる。ブルックスブラザーズ・タイプのボタンダウンでなくワイドスプレッド・カラーのボタンダウンとなると、コレもやはりオーダーとなる。

1: ネック・サイズ

意外と難しいのがネック・サイズの決定です。最初の一枚目は大失敗しない様に少しゆったりサイズとする。通常は指一本分(約2cm)余裕をみる。第一ボタンを留め指1~2本を入れ首を難なく左右に動かせると良いサイズ。

2: スリーブ・レングス

左右腕の長さバランスは違います。採寸時は、軽く腕をくの字に曲げて計る。通常くるぶしが隠れるところまで。計り方で加えて欲しいのが、肩先からではなく親指先からカフス先までの長さを計り左右同じにする事です。この採寸方法は、左右バランスのズレを修正してくれる。着用後カフスのロールアップ・スタイルをする場合は、手首付け根先までの長さが欲しい。通常、ジャケット袖口から1cmカフを出す。石津謙介氏に教わったのですが、袖が長い分には問題なし、袖ボタンの付ける位置を変えて手首で留めれば大丈夫!

3: ミシン・ステッチ

アイビー・シャツにはステッチが不可欠、当初は縫製の補強から施される様になったステッチだが、コレがないとなんとも不細工な顔となってしまう。ブルックス・ブラザーズのシャツをアイビーの基本とすれば、ステッチ幅は5m/m強 (0.2inch) といったところ。全てこの幅のステッチがなされている。フロント・ステッチを約9m/m (0.36inch) と広めなステッチとする場合もある。

0.2inch ステッチ
0.36inch ステッチ

4: ポケット

元々英国製のシャツにはポケットはない。ここに物を入れるのは野暮と言う考え方。実用を好むアメリカ人がポケットを付けようになる。

Brooks Brothers ポケット

J.Pressシャツ は、学生がポケットから物が落ちない様にという配慮からベースボール型のフラップが付く。

5: バック・ディテール

オーセンティック・アイビーでは、カラーの後ろにボタン、そしてボックス・プリーツの上にフックが付く。しかし、ブルックスブラザーズは、早い時期からこれらを取っ払いボックス・プリーツのみ。

フックと剣ボロ部分にダンガリー生地を取り入れた例

6: カフス

ブルックス・ブラザーズ製は、カフスのボタン位置を袖口から 6:4 のところとなる。コレは、筆記する際にロールアップしやすいためと時計の邪魔にならないための配慮。オーダーの際は、時計を左右どちらに付けるかで、カフス・サイズも変わる。プリーツは、ワンウェイかギャザーの選択。(ブルックス・ブラザーズはギャザー)

7: 台襟

台襟からカラーが付けられている部分(前立てとの接点) ここから2cm 台襟がカラーより出ていなくてはいけない。理由は、ネクタイを絞めた際にカラーとカラーの間に隙間があるとネクタイのノットの収まりがよいから。また、ノータイの際でも、シャツ・カラーの開き具合が綺麗に出る。

Brooks Brothers / シャツ・カラーとネクタイ・ノット

8: シャツ・カラー

ボタンダウン・シャツ/もっともオーダー・シャツでは難しい技である。例えばブルックス・ブラザーズのシャツ・カラーは8.5cmだが、まずはその型紙で作ってもらい、出来上がった後で、ボタン位置の微調整をやると良い。

ブルックス・ブラザーズ / ボタンダウンのロール
J.Press / ボタンダウン・ロール

ボタンレス・ボタンダウン・シャツ/別名ケネディ・カラーとも呼ぶ。ボタンレスと呼ばれるようにレギュラー・カラーのシャツ。アイビー・スタイル派は、ボタンダウン・シャツを基本にした同じカラーのレギュラー・カラー・シャツが似合う。

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