Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
ラルフ・ローレンのインタヴュー記事から抜粋。彼が37才の年でしょうか。MENS CLUB 1976/12号の掲載で、当時No.1の NY通である浜田容子さんがお相手してらっしゃいます。以下、抜粋〜

POLOの仕事部屋、当時から新しいスタイルへのビジュアル戦略が進んでいた。


ポロ社ができて12年、ファッション界のアカデミー賞にあたるコティ賞のメンズ、レディース、両方で二度受賞!その後はコティ賞の対象とならない名誉あるホール・オブ・ファーム受賞!揺るぎない地位を獲得する。

ローレンは、自分自身のイメージ作りに若い頃から気を遣ったようだ。それは、15才の時、兄と相談して姓を”リフシッツ”から”ローレン”に変えた事からも伺える。(リフシッツから浮かぶイメージがよくなく、子供時代にいじめにあったようだ)
服装や生活スタイルには、異常な程の熱情を傾けたし、自分だけまわりと違う格好をしていても一向に気にかけなかった。19才で週給55ドルの時、ブルックスブラザーズの百ドルのスーツを着る。また、25才でネクタイ・セールスマンとして週給150ドルの時には、2百ドル以上のラペルの広い英国風なオーダーメイドスーツを着る。兎に角、スタイルには、お金の糸目を付けなかったようだ。
当時はナローラペル全盛時代、ブルックスブラザーズ信者だったローレンも、次の新しいスタイルに興味は移っていた。それがワイド・ラペル・スーツである。 == 服装には詳しい知識がありながら、着るものには気を遣わないという感じの英国ジェントルマン・タイプが好きでね、そういうイメージを作ろうとしたのですよ ==

職業遍歴 / まだ何を一生の仕事とすべきか分からなく転々と職を変えるが、22才の時、ブルックスブラザーズのセールスマンをやるが、半年で徴兵で陸軍へ。退役後、ブルックスブラザーズからダニエルヘイズの手袋のセールスへ。そして、リベッツのタイ・セールスでネクタイを売り始めた頃にようやく、タイのデザインなら、経験のない自分でもできそうだと考える。(リベッツに関しては、僕のブログ “リベッツ” で語ってます) そこらあたりから、タイのデザインをしてみようと思い始めたようだ。
当時のネクタイは、2 5/8 inc. 約6.5cm がトラッドの主流。ローレンは、自分用に特別に3 1/2 inc. 約9cmの太いタイを作っていたが、お得意先から好評だったようです。ヨーロッパで流行るモッズ調でなく、トラッド柄なのに太いタイというのが非常に新鮮だった訳です。
ネクタイの会社であるボー・ブランメル社が手を伸ばしデザイナーとして採用。但し、デザインだけでなく、生地買い付けから、得意先へのデリバリーまでローレン自身がするという条件付き。最初の一年での販売が、50万ドル!この成功が、ポロ・ファッションズ社設立の土台となる。

ローレンのファッション哲学
“一つの信念を貫いてものを作ること、よくお客を知っていること。カスタマーを知るというのは、単に道行く人の服装をよく見てるとかでなく、僕自身カスタマーのライフスタイル、ファッション観、必要な服装を身をもって知っているのです”
“ 服装がそれ程大事とも思わないが、いいものを趣味よく、カジュアルに着こなす男達。つまり、わざとらしくないソフィスティケーションを求める男達 “
“ メンズだと、手当たり次第にそこらにあるものを寄せ集めて着るが、そこに個性が表れて、様になっている。レディースだと、着れば着るほど良さの増す質の良いトラディショナルな形のもの “
ローレンにとっては毎シーズン新しいアイデアを生み出すデザイナーが必ずしも優れたデザイナーではない。 “我々は、壁にかけた絵を描く芸術家ではなく、人々が使用するマーチャンダイズを作る者だから、年ごと、シーズンごとのムードをとらえ、その瞬間に人々が欲しがるものを作らなくてはならない。いたずらに先ばしりすることがデザイナーの才能ではありません”

アメリカファッションに寄せた貢献は?
“ファッションに新しいディメンションを与えた、つまりアメリカン・クラシックを作ったことではないかな。以前はアメリカの男は、アメリカ的ファッションか、ヨーロッパ的ファッションか、二つの選択があった。僕は、ヨーロッパの伝統的なスタイルを取り上げ、それをもっとナチュラルに、コンフォタブルに、ソフトに作り変えたのです。だから僕の作る服はとてもアメリカ的と思うのです。同時に世界の男達にも支持されたかと”
以上、MENS CLUB より引用、編集しました
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