Kay こと慶伊道彦のCoffee Break
1976年、ローレン日本初来日でのインタヴューから〜 ——-MENS CLUB 編集長 / 西田豊穂 ——-
Q : 若い頃働いたブルックスブラザーズに対する、なにか感想は?

“ 徴兵までの半年程でしたからね、それまではブルックスのファンで買っていましたから。そもそも僕がポロを創り出したそのものは、ブルックスブラザーズが、僕にとって魅力を失ってしまったからです。僕は、トラディショナルルックの愛好者ですけれども、ブルックスは、なんていうか、年寄りのものになってしまって、若いトラディショナリスト向きではなくなってきた、僕は、ポロを僕なんかと同じ年代に合わせているんです。もっと、ロマンがあります。しかしブルックスが打ち立ててくれたトラッドルックに対する強いイメージは評価していますよ “
Q : 聞くところによりますと、最近はヨーロッパでも50年代アメリカのスタイルがハイファッションとして出ているようですが。
僕のアメリカ・ファッションの概念は、<傾向>ということではないような気がします。そうじゃなくて<階層>ということなんですね。エレガントなスタイルを保つのに流行はない。つまり例をあげればボタンダウン・シャツとツィード・スーツというところですね。世の中どこに行ってもおしゃれな人のスタイルには内容的に繋がりがあるということですね。
僕自身は流行を信じません。例えば <ヘビーデューティ>なんていうのが、人気がある理由は、やはり<自然さ>と<流行に無関係>ということであり、自然に合わせたクリーン・ライフへとつながる。これが、ぼくの服装に対する考え方そのものだと思うわけです。決して最新のファッションというものではなく、常にあるものでスタイルを作っていきます。

Q : ローレンさんとデザインされたウェアのシルエットを、ひとことで表現するとどうなりましょうか。
自分としては、ニュー・トラディショナルが適当だとは思いますが。ポロをひとことでいおうとしても多くの要素があってそれはできませんが、服についていうなら、僕は大変自然な肩のラインをつくったし、広い折り返しや、衿の形をつくったのだと思います。また、純粋の生地しか使わない。純綿や純毛など。僕が一番新しいルックと考えているものの一つは、大きなホース・ブランケットのプレイド地を使ったスポーツコートですね。

西田氏談 : ローレンは、これから先も、トラディショナル・ルックから訣別することはないだろう。彼自身、シンプル・ライフの提唱者であり、ヘビーデューティ志向を真っ先に商品化している。売れるからではなく、彼の表現を借りれば、自分が好きだからそれを作った、ということなのだ。毎朝、セントラル・パークでジョギングに汗を流し、オフィスには自転車に乗り、そのオフィスでは、ブッシュ・パンツに赤紐のマウンテニアリング・シューズ!まさにヘビーデューティな格好で歩き回る。氏のスポーツ・ウェアからの影響がいかに強いかというのがわかる。
以上、記事と写真は、MENS CLUB 1976 / 12号より引用編集しました。
#michihikokeii #ivy #ivystyle #ivylook
Insta/ @kay.Ivy.album
https://www.instagram.com/kay.ivy.album/
YouTube