慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / POLO COAT 蘊蓄話と着こなし術

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

昨秋に続き”POLO COAT”の話、第2回目となりますが、木枯らしを感じるといつも想ってくるスタイルです。

POLO COATは ”ウエイト・コート”と呼ばれ、“ポロコート” と名付けられたのは、1910年ブルックス・ブラザーズによってだそうです。

1929年のイエール大 対 プリンストン大のフットボールの試合でのアイビー・リーガーのスタイルでブレーク。その後ジェントルマンのタウンスタイルとして広まる。

POLO COATのお約束ごと

マーティンゲールと呼ばれる背中のバックベルト、ガウントレットカフと呼ばれる折り返しのカフ、フラップ付きポケット、水牛のボタン、インパーテッド・プリーツ、そして太いステッチなどであるが、時代時代で少し変化する。

引用写真

まさにウエイト・コートと呼ばれる由縁、プレーの合間に羽織り暖をとる。

引用写真

ブルックス・ブラザーズで発売当初は、写真のようなクリーム色の生地で貝ボタンがついていた。その後、キャメルヘアーやグレーと増える。(以下、ブルックス・ブラザーズのウェブより引用)

アイビー・リーグで広まった後、1930年代に入り、女性にもポロコートが広まっていきます。

以上、Brooks Brothers ブログより引用

基礎知識はこのくらいにして、ポロコート・スタイルの話に移ります。まずは社名を、”POLO”と名付けたくらいポロコートが大好きなラルフ・ローレン氏、デヴュー当時からポロコートを発表しています。この当時は、フラップが付いてないプリーツ飾りのポケットでした。

そしてこの写真が僕のイメージするラルフ・ローレン・スタイルのポロコートです。当時、この様にスーツ・スタイルではなくノータイのカジュアル・スタイルにポロコートを合わせるスタイルはなかったので、やはり、氏は天才スタイリストです。

ポロコートと言えば、元々生まれは英国、さすがチャールズ国王のポロコート・スタイルには英国紳士の余裕が感じられます。ポロコートにはレジメンタル・タイがお似合いです。国王コートは、ステッチの入らないチェスターフィールド・コートの様な味わいを感じさせます。

さて、日本ではと考えると、この方以外には思い浮かびません。馬車道信濃屋の白井氏、僕らの大先生です。早くからイタリアン・クラシック・スタイルをものにしていらっしゃいました。ポロコートはこう着るべきだとよく教えられました。

信濃屋ホームページより引用

ハリウッドスターのポロコート・スタイルから、対照的な二人をチェック。

60年代のアメリカン・トラディショナル・スタイルとなれば、ジェームス・スチュアート。ウエストの絞りのないストーンとしたシルエットがアメリカを感じる。

かたやロイ・シャイダー、70年代の特徴であるワイドラペル、絞りの効いたコンチネンタル・スタイル。ニュートラディショナルへと続くスタイル。

ちょっと変わったスタイルから、ケーリー・グラントはポロコートらしきコートの一番上のボタンまで留めて、まるでもう一枚の違うコートの様にみせています。ボタンホールが付いていれば、このような着方も楽しいですね。

僕がちょっとひねったスタイルをしてみました。タキシードスタイルにポロコートを着ました。だが下半身にひねりを。フレンチミリタリーパンツとスニーカーを合わせてアンバランスを楽しみました。もっともこのようなスタイルは、少なくとも半分の方には受けないでしょうが。

スポーツ観戦時に考えた組み立て。キャップとスニーカー、そしてパンツにハリス・ツィードをあわせてカジュアル感を出しました。

さらにカジュアル感を全面に押し出したスタイル。ニットキャップ、ラガーシャツ、CPOシャツ、スニーカー、などと。ポロコートも今日のようなリラックスなスタイルが求められる時代、紳士のドレスアップ・スタイルのためでなく、ドレスダウンのための用品となっていきます。

さらにドレスダウン、寝起きから、そのままコンビニにでも行ってこようかな〜と。ニットキャップ、スエットパンツ、マフラー、これらで身を包みポロコートでお出かけスタイルに。

このように、貴重なキャメルヘアーやカシミヤのポロコートをカジュアルに合わせるミスマッチ的な感覚が今の時代感覚かと。勿論、70’sなドレスアップが好きな紳士スタイルにも、ポロコートは秋冬の大切なアイテムなのは間違いないところですが。今秋は、ポロコートをそれぞれの着方で楽しみましょう!

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慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / 僕のスニーカー物語

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New Balance Sneaker 僕の秋冬の愛用品からの話

僕の春夏スニーカーは、VANS Authentic Sneaker そして秋冬は、New Balance M996やM575。なぜか、春になるとVANSになり、秋になるとNew Blanceになる。見た目からもあるが、恐らく大きな理由はソールではないかと思う。やはり春夏は地面を感じる薄めが涼しいし、秋になるとソールがしっかりある方が暖かく楽。時々お互いを逆に取り込むこともあるので、スタイルにも左右されているのかな?まあ〜他人はそれほど気にしてないのでしょうが、自己満足といったところでしょう。

という事で、今回はニューバランス・スニーカーの話をしたいと思います。とりあえず極々簡単に歴史勉強を。元々はボストンで矯正用シューズ製造会社、1960年頃より矯正者用スポーツシューズのノウハウを活かして、ランニングシューズを開発、1970年頃よりグローバル戦略に踏み切り成功、現在に至る。

下の写真は、ニューバランスのスタート由来を表すユニークな広告です。バン広甲ダカの日本人にも履きやすいフォルムです。僕が選ぶ理由の一つでもあります。

1970年代といえば、NIKEがオニツカタイガーから別れて独立、センセーショナルな展開をした年代。遅れてVANSもサーファーブランドとしてブレーク。スニーカーの戦国時代が始まります。New Blanceは、そう言った意味ではちょっと職人的な事にこだわると言うか、販売戦略では遅れをとりました。が、それぞれの履き方にこだわるためのミッド・ソール採用とか地道にファンを獲得。現在ではビック・メーカーの一社となっています。

僕が愛するモデルたち

New Balance 商品写真より

僕のスニーカーの歴史は浅く、マニアのような蘊蓄もありませんので、マニアモデルなんていう言葉には興味も知識もありません。ただただ自分の感覚と合っているかなあ〜というのが大切です。それがスニーカーを選ぶにあたってアイビースタイルとの相性がいいニューバランスを選んだ理由です。僕なりの感じですが、ニューバランスにはなにか青春を感じるのです。

90年代、僕のスタイルはセヴィルローのビスポークが中心、当然ドレスアップ。なんとはなしに入ったロンドンSOHOのスニーカーショップ、そこで目に留まったのがNew Balance M1500シリーズ、レザースニーカーを二足ゲット。どうやって合わせていいかも分からず、当時はカジュアルスタイルをすることもないので、なかなか出番もなく飾り状態。それでもロンドン出張の度に買ったので、そのうちに4~5足になりました。部下の一人にカジュアルに通じているのがいて、”そのスニーカー、イギリス製ですよね、イギリス製はプレミアですよ” そう言われてから、はじめてニューバランスには、ハイ・プライスのイギリス製、スポーツテクのアメリカ製、ロ・ープライスのアジア製があると知った僕のレベル、そんな感じのスニーカースタートでした。

時々、ビスポークにスニーカーを組み入れ遊ぶ。

2000年代に入り、僕のスタイルは、いわゆるBACK to IVY アイビースタイルに再チャレンジした頃。そうすると、今まで難しかったスニーカーの合わせ方が分かる様になってきました。僕の頭の中では、スニーカーとアイビーの相性がいいんでしょうね。勿論、決まったフォルムのシューズだけですが。それが、VANS Authentic とNew Balance Mシリーズ、

下の写真は同じジャケットでドレスとカジュアルと逆の組み立てしましたが、スニーカーの色は違うが似た型なので、スタイル組み合わせの違いが分かりやすいかと。ドレスにスニーカーの際のキーポイントは、スポーツマインドを取り入れるとか、オーセンティックな品々を組み合わせれば上手くいきやすいと思います。

カジュアルシーンの場合は、トレーニングの合間にジャケットを羽織っている気分で。

グレースーツにスニーカー・スタイルの場合、ここではハリントン・ジャケットを羽織りましたが、ドレス・コートでなく、この様にスポーツ系のコートを取り入れしても楽しいかと。

服装コードが厳しい上場会社では、勿論スニーカーはバツでしょうが、そう言った場合でも、ロッカーに一足キープして、ランチタイム、通勤タイム、退社後の食事会などの時に履いてほしいですね。キャップも勿論合わせて!新しい自分の魅力に気づくはずです。是非!

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慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / ベストの話あれこれ

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ベストの話

僕が子供の頃は、直着(チョッキ) 替わりチョッキなどと呼ばれてました。英国では、ウエイスト・コート、現在は単にベスト、プロっぽくオッドベストともよびます。ベストは、ジャケットの中に着るので中衣として進化してきました。古い時代背景の映画では、シャツはアンダーウェアの一つなので、室内でも必ずベストを着ています。また労働者は、上衣なしのベスト取り入れが普通だったようです。

“POIROT” より引用
労働者も上衣の前にベストが必需品

30年代ドラマ”ポアロ”を観ますと、6ツボタンの上5ツを必ず留めています。それがベストのルールで、これは70年代まで続いています。(下のボタンは飾りボタン) そしてベスト・スタイルの際は、ベルトはバツで必ずサスペンダー(ブレイス)を用います。クラシック・ルール

MENS CLUB より引用

映画”俺たちには明日はない” ウォーレン・ベイテイのベストは7ツボタン、アメリカでは西部開拓者たちの時代、ベストが活躍、その後色々なスタイルのベストが生み出されました。

ベストの本場英国、寒い国なので (60年代くらいまでは今よりもっと寒かったかと) ベストは防寒具でも発展、そのためポケットも色々工夫されてきます。

“炎のランナー” より引用 / ツィードのスリーピース
“恋” より引用 / ベストではないですが、ベスト仕様に袖を加えたジャケットと言っていいのでは

アメリカでは、1940年代から60年代にかけて、ベスト不要のスタイルがトレンドに。ベストをとり、つまりクラシックなスタイルからの脱皮、シャープでエレガントなスタイルを作る。胸を開く事で、ネクタイ、アクセサリーの重要性が高まる。

フレッド・アステアのアメリカ流エレガント

ここより僕の写真からスタイルを見てみましょう

YouTubeで語ってますが、僕はベストが大好きで、20代の頃から愛用しています。VANのオッドベストやロンドンS.FISHERSのベストに凝りまくりました。やはり当時70年代は、キチンと上下ボタンを留めて着ました。このやり方は80年代初めまで続きますが、80年代後半になると、上下を留めず中3ツだけ留めるスタイルに。理由は、かしこまったルール通りのスタイルでは浮いてしまうので、映画のシーンなどを観てハズシ出した次第です。外すことがクールな時代が背景です。

その後、ベストは単にアクセサリーとなり、写真のように着ていてもボタンを留めないとか、どこか一つ二つだけ留めるとか。それでもベストはやめれません。ネクタイと同じような理由でしょうか。

ベストは、インナーの一つとして位置確立。ニットだけでなく、フリース、ダウン、カジュアルな素材を中に取り入れするのが今っぽくなりました。これは、アメリカ西部開拓史時代のベスト発展史以来の進化でしょうか。

さて、ベストには本来持っている物のイメージをちょいと変える力があります。写真は、本来おすましなグレースーツに、ホップサックという昔労働者が好むツィードのベストを取り入れることで、何か緩い気分を得ることができます。一種の外しですかね。

また、同じくグレースーツに、コーデュロイのバーガンディ・カラーを入れる事で、やはり同様なスタイルとなります。この様にベストは、スタイルの見え方をちょっとだけ変えるために使えます。

その他にも、ベスト着用の際のベルトの意味とか、何故サスペンダーが消えたのか、などなど面白くベストの話をYouTubeで語っていますので、時間があれば観てください。

ベストは畳んでしまえるので、沢山ストックできます。その点はネクタイと同じですね。ですから、着なくなったスリーピースのベストだけは残しておくと、いつか使えるかもしれません。大して邪魔にならないので、是非!

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慶伊道彦 IVY STYLE 映画 / “シャレード” ケーリー・グラントの艶トラッド

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63年公開のこの映画、僕の高校時代、当時の日本は田舎でも映画館が数館あり、洋画館というのがありました。だから意外と公開が早かったんですよね。あれから半世紀以上も経ちましたが、もう何回この映画を観たかわかりません。当時は、西洋文化の素敵さにビックリして、ヘップバーンとグラントのエレガントさにうっとりでした。ここ数年は、ケーリー・グラントのスタイルチェックを中心に見直ししていますが。

洒落たポスターですが、デザインはモーリス・ビンダー、タイトル・デザインは、映画のオープニングに繋がる大事な役目なのですが、彼の60’s センスには脱帽です。”007” もスタートから長く担当していましたので、シャレードの乗りもなんとなく007を彷彿させてくれワクワクしてきます。

オープニングからのシーンの流れをお話ししますが、見直ししていただく際に、注意して観てください。列車のシーンからヘップバーンのアルプスシーンまでの流れが実にカッコいいですから。これは、デザイナーのモーリス・ビンダーの功績でしょう。

さて、スタイルの話に戻りますが、ケーリー・グラント最初のシーンは、アルプスのリゾート地。ウィンドブレーカーから覗かせるシャツ襟がニクイ!バッファローチェックに違いものかと。ジッパーを上までピッタリと留めると、カジュアルでもエレガントが香る

お得意のグレースーツ・スタイル。モノトーンでまとめるのがケーリー風。万人向けで誰にでもできるスタイルだが、それだけに奥が深い。

ヘップバーンと一緒のシーン、珍しいネイビースーツ・スタイル。濃紺か黒の無地タイ。やはりミニマムな合わせ方で、品良くまとめる。彼は、アクセサリーをより削ぎ落とすスタイルで、そのあたりは納得です。

シャワーでスーツに石鹸で泡立てるシーン、お茶目な一服シーンですが、当時、ダクロンなど化繊がトレンド入りした時代。プラスティック撲滅運動の今の時代では考えられないでしょうが、薔薇色の繊維産業でした。

このシーン、このスタイル、大好きで何度見ても飽きません。ステンカラーコートの着こなしがニクイ!僕らは、このケーリー・グラントのシーンとポール・ウェイラーのジャケットアルバム写真が、コート着こなしのお手本でした。今はバルマカーン・コートなどというらしいですね。

ジェームス・コバーン、この映画の魅力を最大限アップした脇役。ケーリー・グラントのステンカラーコートに対して、ジェームス・コバーンのギンガムチェック・シャツにニットタイ、そして極めつきはコーデュロイ・スーツ!誰もが永遠のコーデュロイ男と想うでしょう。

曲者がもうひとり、ウォルター・マッソー!やはり、この映画に厚みを加えてます。オシャレで有名な俳優ですが、ここでは、正統派なダークスーツ、ラウンド・カラー・シャツにカラーピンで決めてます。

エンディングのシーンから、ケーリー・グラントが珍しいお茶目な顔できめてます。アメリカ大使館内という設定なので、アメリカン・スタイルという事がシャツ襟からわかります。

ケーリー・グラント、映画人生の晩年に近い作品でしたが、この頃のスタイルの方が、40’sスタイルのケーリーよりも好きだという方は多いです。50才を過ぎて、ますますシャレていくグラントに僕ら老人は勇気づけられます。

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慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / コーデュロイ着こなし術

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大好きなコーデュロイの季節がやってきましたね。コーデュロイスーツに手を通す初日は気分が高揚!ワクワクする一日となります。

コーデュロイの誕生はフランスという説がもっとも強いですが、(ルイ14世が庭師の仕事着として取り入れたとのこと) そこはイギリスも自国での誕生と言い負けてません。僕もトラディショナル・スタイルで多く使われている事と、イギリス映画の労働者着として度々観ているので、何となくイギリス起源説と思ってましたが。

映画スターからコーデュロイ・スタイルを観てみたいと思います。なんと言っても一番は ”シャレード” のジェームス・コバーンでしょうね。彼のクールなスタイルから、僕らがコーデュロイ愛に目覚めるきっかけになったと確信。その頃は、まだ鼻垂れ高校生で、コーデュロイのことを ”コール天” と呼んでいました。よく使われている生地だったので、オシャレと感じ出したのは、この映画を観た後からです。

“ゴッドファーザー” のアル・パシーノ、アイビー校卒業後、ファミリー入りする前。最後のアイビー・スタイルが印象的。コーデュロイスーツにボタンダウンシャツ、レジメンタンタイ、スタイルが彼の役柄背景を映す。

ウディ・アレン “アニー・ホール” 70’s アイビー・スタイルをリードした一人。ちょっとくたびれたコーデュロイ・ジャケットに太めなストレート・チノパン、最近またこのスタイルがカッコよくみえてきた人は多いのでは。

“コロンボ” Clive Revill このドラマでしか知らない英国俳優ですが、このコーデュロイ・ジャケットには驚きです。生地畝のの太さ、ステッチワーク、エルボーパッチ、皮組みボタン、70’s New Traditional Style 今風ヒップな味わい。

同じコロンボドラマからのコーデュロイですが、バラクータ風ハリントン・ジャケットにもコーデュロイ!カッコいいですね〜

20世紀初頭、英国では、コーデュロイは労働着として重宝されました。寒い国での外仕事ではコットン100%ながら軽くて暖かい生地がピッタリでした。写真は、映画 “恋” のアラン・ベイツ、ベストにも見える機能性高いワークウェア。

同じ頃、アメリカにもコーデュロイは渡り、ウェスタン映画の中で、カッコいいジャケットとして魅せてくれます。襟や袖の裏地にコットン・ヴェルヴェットなどをあわせます。

では、僕のコーデュロイ・スタイルからワンヒント。ブラウンのスーツには、イエローカラーがピッタリ!シャツ、セーターとイエローにしました、またポケットチーフにもイエロー入り。ガンクラブチェックのオッドベストもブラウン系で纏める。シューズは、当然ヌバックのオカメALDEN

今シーズンのコーデュロイは、この位の中畝が気分よし。色もモスグリーンあたりが古くて新鮮!敢えてバンカー・ストライプのオッドベストを持ってきてタウンとシティの合体。今では珍しいタッターソール柄のアスコット・シャツもコーデュロイに相性良し。

こちらは、カジュアルジャケット・ノーフォーク調、コーデュロイでは最も使われるアンバー・ゴールド色、パンツとハットにベージュを持ってきて全体的にベージュ・ファミリーでまとめました。シェットランド・セーターはライトブルーにして色出し。

コーデュロイは、基本的には秋冬物ですが、春から夏にかけてのコーデュロイもあります。僕らはサマー・コーデュロイと呼んでいますが。細畝でコットン100%ではなくストレッチ化繊入り、薄く軽い生地で動きやすくする。さすがカラーが豊富で派手な夏色を選べる。

さて、会社に着ていくのはちょっとねえ〜という会社勤めの方も、ロッカーにコーデュロイのジャケット一着をキープし、週末のデートなどに着替えるのはいかがですか?きっとジェームス・コバーン気分になる事請け合い、勿論フリーな方々は、月曜からガンガン着たおしましょう。痛んでくる風合いに魅力は増しますよ。この秋冬は是非!

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慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / 紺ブレザー、今シーズンどうこなす?

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ブレザーの話、と言ってもブレザー起源説やその後の発展史は、以前のブログで語っていますので、今回は着こなし方や今っぽさなどを中心に語ります。

“2nd” magazine 11月号が、ブレザー見直し特集でしたが、その号に、Soutiencol 三浦代表と対談をさせて頂きました。その際のミユキ通りでの撮影写真です。二人ともブレザースタイルで合わせました。

2nd風、今シーズンのブレザースタイルより、ミリタリーテイスト、オーバーサイズパンツ、スポーツマインド、この三点を加えた今時ブレザースタイルが旬かと思います。

2nd より引用

一方、クラシックなスタイルですが、今日でもクールなスタイルは、やはり正統派な組み立てかと。”MENS CLUB” 60’s 70’s から学べます。

MENS CLUB #34

シングルのオーセンティック・アイビー・モデル、スッキリと削ぎ落とした姿からは若々しさを感じます。

ニューポート・ブレザー・スタイル、同様に余計なディテールを外し、クラシックな装い。この渋さがかえって現代に通じるかと考えます。

ニューポート・ブレザーも70年代に入ると、ややカジュアル感が出てきます。色目が明るくなり、ネクタイだけでなくポロを合わせたりと。

男子専科から発刊された別冊ブレザー特集号、かなりディープな味わいでした。

DANSEN ブレザー読本より引用

オーセンティックなブレザーとなれば、やはりこの二ブランドかと。Brooks Brothers, J.Press

ニュートラディショナルの代表POLO、コンテンポラリーの代表Paul Stuart

80年代を代表するメンズショップとなれば、この二店、テイジンメンズショップ、クルーズ

80年代プレッピー時代は、アクセサリーも充実で人気をはくす。

80年代はプレッピーの時代、ブレザーにそれぞれオリジナルのメタンボタンを付け替える。

そして、胸ポケットには、お好みのエンブレム、しかし今付けると、ちょっと浮くかも。いつか戻って来るのでしょうが。

ブレザーに合わせるネクタイと言えば、レジメンタルタイ。この写真の様なシンプルなストライプは、最近見なくなりましたが、僕は大好きです。

70年代から、ファッションとしてブレザーのカラフル化が始まる。それまでは、ごく一部のエリートたちのスポーツ観戦シーンでみられただけでしたが、ニュートラッド、プレッピー、ファッションが一般大衆にまで降りてくる。

代表的なカラーは、ネイビー以外で、レッド、キャメル、グリーン、グレー、僕はグリーンとキャメルのブレザーが今欲しいです。それと、王道ですが、ブラックウォッチ・タータンチェック。

以上、雑誌 “DANSEN” より引用

映画のシーンから素敵なスタイルを想うに、

一番は、これかな?”華麗なるグレートキャツビー“ パーティシーンでのニックのスタイルには痺れました。広く胸の開いた二つボタン・ネイビーブレザー、ホワイト・ボタンダウンにハッキリとしたレジメンタル・タイ、ホワイト・フランネル・パンツ、当時流行ったニュー・トラディショナル。最近の日本人も胸幅が厚くなっているので、この様な胸の開いたシルエットもこなせそうです。

オーセンティックなブレザー・スタイルでは、”ティファニーで朝食を” 大人なアイビー卒業生スタイル、ブレザーの裏地の赤に痺れ真似ました。

カッコ良すぎて困るのがこの方、ジョージ・ハミルトンの “ボーイハント” Wのニューポート・ブレザーの着こなしがカッコよすぎて、ラストシーンに溜息。

僕らのトニパキも負けていません。フランスに渡って後、フレンチ・アイビー風に決めてます。

日本では、この方かな。田中邦衛!ニューポートにホワイトのタートルネック・セーターを合わせるのは、今シーズンあるんじゃないかな。タートルネック合わせ。

“若大将シリーズ” より引用

次に僕のスタイル写真より

オーセンティック・モデル・ブレザー、グレーフランネンのパンツを合わせるのは、最もオーソドックスな合わせ方。安心感があります。唯一の冒険はイエローのベスト、それを除けばそのままホテルマンにもなれるスタイル。

パンツをハデ目に替えブレザーをオシャレにアップデート、イエローのベストとパンツと上下共地で、シャツのカラーピン、ブレザーの余所行きスタイル。

スエットを上下に持ってくることで、全く違うブレザー・スタイルに。キャンパス・スタイル

この様に、スカーフ一枚加える事で大人なエレガンスをゲットできます。ニューポートスタイルには是非!

意外と気に入ってる組み合わせが、このバンカーストライプ・パンツ。ジャケットとパンツが違う主張をしていますが、僕としては、レジメンタル・タイでバランスをとっています。このパンツ、実はスーツの下、上着が使えなくなったので下だけキープ。たまにこうやって楽しんでいます。一見バラバラの物でも自分で組み合わせて楽しむのは、頭の体操。皆さんも、スーツを処分する際に、パーツで残せないかと一考!

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / Tweed Story

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引用写真

Tweed 誕生のおさらいから

スコットランド、元々はボーダー地方のツィード川流域で作られていたことから名づけされたという説が有力ですが、もう一つの説も。(映画のシーンで観たような気がしますが) ロンドンの商社で伝票に、”Twill” と書くところを “Tweed” と間違えて記入、その後それが通用するようになったとか。

本来、スコットランド産の羊毛を手紡ぎした太い糸を手織り、地元の地衣類や野草で染めた糸を使う、縮絨起毛させない粗く厚い織物。島の漁師たちの防寒具として使われていた。

引用写真

その後、上流階級のカントリースポーツやゴルフなどの防寒用ウェアとしても広まる。

引用写真

4大ツィード

Harris Tweed , Donegal Tweed , Cheviot Tweed , Shetland Tweed ,

この中で最も有名なハリス・ツィードについて書きます。

引用写真

Harris Tweed / スコットランド、アウター・ヘブンディーズ諸島(ハリス島、ルイス島)発祥のツィード生地、1846年 レディ・ダンモアが自家クランのチェックをオーダーそれが素晴らしかったことから評判を呼び広まる。そして、1911年に商標登録が終了し、世界的ブランドとして愛されるようになる。

引用写真

あまりの生地の重さと硬さに、30年代アメリカでは、柔らかく保温性の良いシェットランド・ツィードの方が広く愛される。そこで、シェットランド産シープとのかけ合わせで新種の羊毛を産み出す事でそれまでより柔らかなハリス・ツィードを産み出す。

それまで右肩上がりのハリス・ツィード生産だったが、1970年代には下降線をたどる。服装の軽量化、化繊の誕生などが苦戦の原因だと思える。1980~90 年は、苦しい時代だった。メンズ・スタイルがエレガントを求める時代背景があったが、それ以外にも、ハリス島産でないハリスツィード類いが氾濫したこともイメージダウンの一つ。そこで、イギリス政府は、1993年、ハリスツィード条例を政令化、ハリス島で製織されたもののみに登録ネームが付けられる事になる。これで、マーケットの混乱が抑えられ好転する。90年代のプレッピー・スタイルでブレーク!洋服だけでなく、ハット、カバン、サイフ小物類、など多岐に使用される。

2000年代に入り、ハリスツィードの良さを失わずに、より軽量化より柔軟性の生地が誕生。また、英国調がクラシコ・スタイルなどの影響で復活することもあり、ツィード生地にも人気が戻ってきた。

ツィード・スタイルのカッコよさは、映画のシーンから学ぶ事が出来る。

遙か群衆を離れて / アラン・ベイツ
“炎のランナー” ツィード・スリーピース
ツィードジャケットの無造作だがクールなスタイル
“007” Qのツィード・スリーピース
“殺意の香り” ヘリンボーン・ツィードジャケット

BEAM F の高橋さんに、今シーズンのツィードの話をお聞きしたところ、やはりヘリンボーン柄が一番人気とか。それもスーツにも使えるソフトで軽い、おそらくシェットランド系ツィード、商品が一番人気とか。訪問した時期が10月初めだったので、今後、木枯らしの時期になると、ガンクラブ・チェック・ハリスツィードが人気になってくるのではと、語られてました。

BEAMS F ツィード生地サンプル帳

ツィードが着られる時期は非常に短くなってますが、それでも男たるもの紳士たるもの、ツィードを避けては通れません。短い間でもしっかりと着込みましょうか。

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慶伊道彦 IVY STYLE 手引き / 今秋、男はどの色を纏うべきか

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

勿論、長らく男の色はグレー、そしてネイビーである事は間違いありません。60年代、スーツスタイルからきたカラーですね。今日では、ジャケットもさまざま、よりリラックスしたスタイルが闊歩するようになりました。当然、色メも大きく変わってきました。

とはいえ、アイビースタイルを自認する方々には、セーブされた好みの色というのがあります。ネイビーを中心として、グリーン、オリーブ、イエロー、ブルー、エクリュなどなど。

この5年、グレー系からブラウン系にシフトしていますが、皆さんこの秋は、どの色をプラスする気分でしょうか。

J.P.ベルモンドの写真のようなバーガンディもそろそろ取り入れてみたくなるカラーです。ここしばらく表に出てなかった色ですからね。ネイビージャケットに合わせても綺麗かと。

ジャン=ポール・ヴェルモンド

80年代風に迫るなら、イエローのタイもありかと。ネイビージャケットに合わせるとカラーの対比が離れすぎるので、この写真のようなモスグリーンジャケットやグレースーツに合わせるといいですね。

MENS CLUB より引用

トレンドのブラウン・ファミリー・カラーのジャケットに合わせるタイは、一本だけならこれに尽きます。黒のウール・ニットタイ!黒が胸元を引き締めてくれます。何より合わせる相手を選ばないので安心感。

“COLUMBO” より引用

アンティークゴールド系の色をグレーに合わせるのも一手!イエローより渋くまた合わせやすいです。

グレースーツにグリーンのタイを合わせるのが昨年から出てきてます。バーガンディと共々大切なカラーです。普段あまり合わせない色なので、新鮮な感覚。

パンツのカラーは、どうなのでしょう。モスグリーンが一押し!昨年からグリーン系が男女共に人気カラー、当然そのファミリーカラーであるモスグリーンはミリタリーにも繋がるので、この秋もナンバーワン!

引用写真

ニュートラルカラーは、何より合わせやすいカラーなので、安心して穿けます。どのような上着にも合いますし。

引用写真

ジェントルマン・カラーとしては、やはりキャメルではないでしょうか。ポロコートしかりブレザーしかり。ブレザーは、80年代プレッピー時には流行りましたが、その後消えていましたので、新鮮さも満点!

MENS CLUB より引用

ウディ・アレンのセータースタイルから、色を学ぼう。ラセット・ブラウンのコーデュロイパンツに合わせるセーターはセージグリーンというかライト・モスグリーン系で。このように色に色を合わせても品良い組み合わせが80年代調アイビー。この上に、ツィードのジャケットを合わせれば完璧なニューヨーカー!

ウディ・アレン

さてさて、あなたはどの色を今シーズン取り込みますか。こんな事を話している僕は相変わらずのカラー、モスグリーン、エクリュ、グレー、ネイビーそんなところでしょうか。ブルーとイエローとレッドをポイントとして活かしたいとはおもってますが。

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慶伊道彦 IVY STYLE 講座 / アイビー・ディテール再チェック

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アイビー・ディテールに関しては、一度 Blog. をアップしているので、前回の分と合わせて読んで頂けると、より僕のディテール愛を理解して頂けるかと。

1 : ステッチ

ディテールの中でも特にステッチが重要かと考えます。僕にとってステッチのないジャケットは、〜〜でない。しっかりかかったステッチの凸凹影(陰陽)をみると何故かホッとしますね。ラペルのステッチは勿論ですが、ショルダー(肩ラインと袖付け)、袖、背中、ポケット、ことごとくステッチ三昧!一般的には6mm前後といわれてますが、4~8mm、その方の体型つまりサイズ加減で。ステッチの陰が綺麗に出てるかどうかには、技術は勿論、生地も影響します。ハリスツィードやコーデュロイの凸凹は、実に綺麗ですね。

ドラマ”刑事コロンボ”より引用

2000年代は、日本のジャケット縫製技術が格段に進歩しました。イタリアクラシコの技術を取り入れ。袖付けに関しても<いせ込み>等非常に高度な縫製技術をものにしました。それは素晴らしいことなのですが、アイビー・ナチュラル・ショルダーの側からみると、肩のステッチが無くなり袖ヤマがふんわりした事が残念です。60年代は、袖付けは<片割れ>仕上げで、その欠点をステッチでカバーしていました。でもそれが結果フラットなアイビー肩を生みました。どうも若い頃馴染んだ袖ヤマのないドロップショルダーじゃなければ落ち着かないですね。

50年代、60年代、大量生産時代!マシーンメイドで見栄えするスーツスタイル、それがアメリカが求めるアメリカン・スタイルでした。必然的に生まれたのが、ナチュラル・ショルダー。ノーパット(もしくは薄芯) 片割れミシンステッチ、僕らが愛するアイビー・ディテールの誕生でした。

Brooks Brothers Japan の今秋新作コーデュロイジャケット、それが実によろしいのです、ステッチワークが!そこで、写真でお見せいたします。

ステッチ幅がニクイ!
しっかりとショルダーラインにも袖付けにも
バックシャン!ネェ!いい感じでしょ!

2 : フックベント

もう一つのアイビースタイルの楽しみは、フックベントです。あのカギ型に切り込まれたベント、これが付いてないと間抜けたジャケットの印象は拭えませんね。アイビーディテールは、多くはスポーツから出てきたようですが、ベントは、乗馬服から。ベントの長さは、オーセンティックは23cm、しかし背が高かったり上着の着丈が長い方で、25cm以上のものもあります。写真は、70年代後半のニュートラッドの時代、ウエストが軽く絞られ上着丈が長くなる事で、ベントも必然的に長くなってます。ここまでくると、アイビーではなくブリティッシュでしょうね。

刑事コロンボより

アンソニー・パーキンスのような手足の長い電信柱体型がアイビーにピッタリ!因み僕のようなチビですと、どう頑張ってもベントの長さは20cmにまでもいかないので悔しいですが。生まれ変われたなら、ジャケット前三つボタンの間隔は13cm、ベントの長さも23cm、こんなジャケットを着こなしたい。(チンケな願望です)

ブルックスブラザーズの今秋のコーデュロイ、ベントはおなじみのしっかりと入った”ノの字”センターベント。これはこれで、60年代ブルックスの伝統を感じます。

3 : バック・ストラップ

フックベントと同じくらいアイビーディテールにとって欠かせないのは、バック・ストラップ。パンツ後ろ中央に座るストラップです。サイズ調整に使えるとの事ですが、これはそれほどの効果はないです。それより、お尻の落ちる日本人には、目線が少し上になるので、美尻効果があります。責任は持ちませんが。

MENS CLUB より引用

トニパキのような背丈がなくても、アイビースタイルをそれなりに楽しめます。個人個人の持ち味を活かすが大切です。写真は、ジャケットの上二つ掛け、それとジャケットの一番下ボタンのみ掛け、これだけでも印象が変わります。

江戸前寿司のハウツーじゃないですが、まずは基本基本の学習、そしてそれを知って知らん顔で崩す、しかしまた基本に戻る。アイビースタイルもそんな感じで、オーセンティックを学んだり、ストリートを加味して崩したり、そしてまたまたクラシックに戻したりと、楽しみたいです。

#michihikokeii #ivy #ivystyle #ivylook

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慶伊道彦 IVY STYLE 映画 / “泥棒成金” ケーリー・グラント・スタイル

Kay こと慶伊道彦のCoffee Break

バスの乗客として出演

アルフレッド・ヒッチコック監督のラブ・コメディ映画のジャンルに入るかと。ケーリー・グラントは、この映画出演の時は51才、この映画のあと、ラブ・コメディ映画に多く出演、めぐり逢い、よろめき休暇、無分別、芝生は緑、ペティコート作戦、ミンクの手触り、シャレード、いわゆる彼の晩年の映画となりますが、50年代の彼より素敵な映画と素敵なスタイルを堪能できます。そういった意味でもそれを引き出したヒッチコックは名監督と言えますね。

この映画で魅せてくれるスタイルは、3スタイル オープニングは、赤の水玉スカーフをあしらったクルーネックセーター

スカーフ、水玉の大きさと赤のバランスがいいですね。水玉が多くはいると、むしろ派手に見えますから、このくらい間の空いた感じがグッド!僕もスカーフは水玉に限ると感じて、紺ベースと黒ベースの二枚を使い分けています。

クルーネックをシャツ抜きで着ると、カジュアル感が増しますが、そこにスカーフを放り込む事で、逆にエレガントさが増しますね。真似たいスタイルです。この映画では、ケーリーはいつもスカーフを巻いていました。

このセーターのようにスエット風なセーターでも、ケーリーが着こなすとエレガントなスタイルとなります。パンツにドレスパンツを合わせるところがミソ!真似たいですね。

次はブレザースタイル、これが実に面白いんです。理由は、ボタンの留め方。三つボタンなのですが、各シーンで、留め方がバラバラ、意識したのか或いはうっかりしたのかはわかりませんが。

三つボタン全部留める

一つ言えるのは、この映画が公開されたのが1955年、アメリカではアイビーがようやく学生ルックから大人のスタイルに認識された時期に当たります。ですから、流行に早いハリウッドスターのスタイルでさえも、まだまだアイビーのディテールがまちまちで未完成でした。(60年前後のアイビー・スタイルは、凄くクールになってますので、その後一気に広まってきたのでしょう) さすがのスタイリッシュなケーリーも英国風着こなしと違いアイビー・スタイルは苦手のようです。でもトレンドだからちょっ取り入れてみようと考えたのが、この映画のスタイルかなあ〜と。その後の映画では、本来の彼のもつエレガントな英国調スタイルに戻り、磨きがかかってきてますから、やはり本来の自分の得意なスタイルに自信を深めたのでしょう。

三つボタン、下二つ留める
三つボタン、真ん中だけ留める

下記のような同シーンで服装違いということは、意外とよくあるのでは?同じに見えるジャケットを2~3着用意して撮影に臨むので、ハンガーにズラッとかけてあると、つい違うジャケットに手を通してしまうんでしょうね。フランク・シナトラの ”刑事” でもありましたね。袖ボタンが2ツと3ツのジャケットの違いでしたね。やはり同じシーンで着てました。僕らのようなオタクな輩にそこまで服装のチェックをされているとは思わないからのミスでしょう。まあ〜映画の内容には関係ないですが。

同じシーンで、全部留めるのと下二つ留めるのと

ケーリー・グラントも意識してやったのか、あまり考えないでやったのかは分かりませんが、これはボタンの掛け違い。ただ言えることは、ボタン留め方は、それぞれの好き好きでいいという事です。何度も言ってますが、ラルフ・ローレンは一番下のボタンだけ留めるのが好きですし。どのボタンを留めるという規則はありませんから自由気儘で。

次はシャツのエレガントについてです。ただの白いシャツというなかれ。この時代ゆったりとした身頃や腕周りが男のシャツの魅力、また肩の縫い込みにギャザーを入れる高度技!

昨年頃からですかね〜 シャツが少しずつゆったりとしてきたのは。僕のシャツは、以前はオーダーでスリムフィットさせていたので、昨年のスタイルチェンジからは、前のシャツが合わなくなって往生しています。もっとも、市販の少しオーバーサイズ購入で応急処置していますが。

さすがケーリー・グラント、得意のグレースーツ・スタイルは完璧!この後の “北北西に進路を取れ” を彷彿!グレースーツの帝王と言えるでしょう。

限られた決まったスタイルを決まったように着る、これがケーリー美学。僕らも同じようなスーツを着てるんですから、ここは何か考えないと。

舞台装置にビックリ!リヴィエラ、カンヌ、モナコ、この風景シーンを見せられては、さすがのセレブたちも太刀打ちできないかと。二人の持つイメージの相乗効果を合わせてという意味で。素敵な舞台設定でした。

まさに美男美女映画!現実では、どちらかがちょっとダサいとか装飾過剰とかになるですが、こんなのはズルい!いや〜貧乏人のひがみでしょうね。

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