慶伊道彦 IVY STYLE FILM / “Where the Boys Are” George Hamilton

Kay Coffee Break

ボーイハント Where the Boys Are

コニー・フランシスの甘いタイトルソングで始まる青春映画、日本公開は61年だが僕が観たのは、それから4年経った65年の大学1年の時。上京したばかりでアイビーの事を何も知らず、大学街の本屋で出会った雑誌メンズクラブだけが頼りだった頃。オープニング・シーンで登場するアメリカの学生達にカルチャーショック、なんとまあ〜華やかな青春なんだと。そして舞台は夏休みバカンスで多くの若者達でごったがえすフロリダに。ビーチの誰もがカッコいいアイビーをしているように思えた。映画の後、速攻でホリゾンタル・ストライプのTシャツとバティックのバミューダ・ショーツを買いに行った。

さて映画から見るスタイルだが、ジョージ・ハミルトンからは多くを学ぶ。ブラウン大学のエンブレムを付けたシングルのネイビーブレザーにブルーグレーのパンツ、ライトブルーのボタンダウン・シャツ。またエンデング・シーンの白浜では、ニューポート・ブレザーにライトグレーのパンツ、白のボタンダウン、そこに黒のスリッポンを合わす。さすがのブラウン大学アイビー・リーガーの設定。

恋人役のドロシー・ハートも相手役にピッタリの清楚なファッションで素敵なスタイル。いっとき僕は共演のイヴェット・ミミューのファンでしたが、この映画では可哀想な役どころでした、しかしピンクが似合っていたなあ〜。

 ニューポート・ブレザーとはVANが名付けた和製英語で、本場では単に4ボタン・ダブルブレステッド・ブレザー と呼ぶ。Wの4ボタンでボックス・シルエットと短いサイド・ベントが特徴。65年に開催された東京オリンピック以降日本でもブレザーの人気が高まるが、まだまだ一般人は着こなし方がイマイチの時代、だからこの映画を観て納得したものだ。ネイビーにはグレーのパンツが一番なんだと。

アイビー・ストライプ・シャツのカッコ良さは映画から学んだ。ジャズ・ミュージシャン達の着るプリント柄シャツもアイビーしていて実にクール。早速お買い上げ対象となる。60年代後半は、アイビー・ストライプやペイズリープリントそしてマドラス・チェックなど柄物のシャツがブレーク、長袖シャツだけでなく、ポップオーバー・シャツやショートスリーブ・シャツでも大流行り。

電信柱の愛称を持つコメディアン俳優ジム・ハットン、高身長ゆえアイビー・スーツが実によく似合う。ここではコットンギャバジンのスーツにレジメンタル・タイで魅せる。ジムは映画ではいつもセンス良かったなあ〜、ケーリー・グラントの東京ロケ映画 ”Walk,Don’t Run” ここでもクールなアイビールックを披露していた。高身長の人がアイビー似合うのはジャケットの丈が長い事にある。長い分3ボタンの間隔を広く取れストレート・ハンギングのシルエットが綺麗に出る。アイビーは、基本ストレート・ハンギング、ズン胴なシルエット。ボタン・スタンスも12~13cmとなる。アメリカでは、60年代に入り一般人体形の男性にも似合うようにモディファイ・トラディショナル・スタイルを打ち出した。ボタン・スタンスも10~11cmと狭くなり、その分ジャケット丈も短くなり、誰もが着れるようになる。

この映画、ハミルトンのスタイル映画のようだ。ビーチでのグリーンやブラックのPOLOシャツ、それに同色のビーチ・ショーツを合わす。ボートではネイビーのゴルフ・ジャケット(ドリズラー、バラクータ、そして日本ではスィングトップ、とも呼ぶ) 白のボタンダウン・シャツに何と赤のスカーフを差す。スーツ・スタイルでもライトベージュ・スーツはコンポラ仕様、フッシュマウスのラペル。ブルースーツはブリティッシュ風アメリカン・スーツでネイビー・タイを合わす。それ以外に上記で述べたスタイルもあるから、ヤング・ジェントルマン・スタイルのイメージはこうなんだと語ってくれた映画。

劇中流れるコニー・フランシスの歌は、青春時代の真夏の出来事を思い出させ、夏が来ると毎度毎度観たくなる映画。

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