慶伊道彦 IVY STYLE FILM / “American Graffiti” Richard Dreyfuss

Kay Coffee Break

1962年9月のある夜、4人の友達がハイスクールを卒業し次に旅立ちするまでの一夜の物語。

ウルフマン・ジャック・ショー、ドライブ・イン、ローラースケート・ウェートレス、フォードやシボレーの改造車、物語を繋ぐポップ・ソング、などトップリと50’s感に浸れる映画。

物語は、夜のドライブインに集まる3人の若者達から始まる。三者三様のアイビー・ルック、50年代アメリカはアイビー・ルック全盛期、公開から60年経った現在 、街には ”Back to IVY” の風が吹きアイビー・スタンダード・スタイルがストリートの華となる。

Short-Sleeved Shirt ジャケットを着ない若者は半袖シャツを好む。(ジャケットの場合、汗をかくので必然的に長袖となるが)

シャツ・カラーは当然ボタンダウンで、フロントはボタン・フロント(前あき) とPop-over(プルオーバー) がある。素材柄はマドラス・チェック、アイビー・ストライプ、シャンブレー、バティックなど。裾を出す現代と違い、ウエスト絞りのないシャツをきちんとパンツの中に入れて、アイビー・ベルトをするのが基本。

ローラースケート・ウェートレスが似合う50年代、やはり当時は人気職業故に容姿重視の美人採用だったのだろうな。グラマー・ウェートレスが絵になるダイナー。

この映画、たった一夜の物語なので、若者達のスタイルもそれぞれ一点づつなのだが、それでもサマーアイビーを魅せる。なかでもマドラスチェックの半袖シャツを着たリチャード・ドレファスのルックが印象に残る。ゆったりとした絞りのないシルエットは今に繋がるし、裾を外に出すのも今っぽい。インナーに白のTシャツ、コットン・パンツとスニーカーを合わせるスタイルは今でも同じだ。

この映画が成功したわけの一つが、ウルフマン・ジャック・ショーから流されるポップ・ミュージック。遅ればせながら日本でも、60年代に入ってDJの音楽番組が受ける。ウルフ本人も出演しストーリーに厚みを出す。

アメリカのハイスクール卒業の儀式が、PROMという卒業記念ダンスパーティだが、青春映画では欠かせないシーンだ。男女生徒達の様々な流行がそこから窺える。

ロニー・ハワード扮するスティーブ、淡いブルーのギンガムチェック、ボタンダウン半袖シャツが青春を感じさせる。もちろんコットン・パンツにアイビー・ベルト。

一夜明けた見送りのシーン、やはりそれぞれの半袖シャツがクール。私見だが、半袖シャツを着た際のパンツは長いパンツ、長袖シャツの場合はバミューダ・ショーツで良い。(袖をロールアップする分には構わない) 何故だか昔からのルール。

この映画からアイビー・トレンドを考えると、やはりショートスリーブのシャツ。中でもポップオーバー、日本ではプルオーバーと呼ばれているが、70年代以降見かけなくなった。ここに来てリラックス・サイズで裾を出す着方が当たり前となってきたが、そうなると前立てが途中で止まり袋状になるポップオーバー・シャツがカッコよく映るようになりトレンドとなる。合わせるパンツも当時より太くリラックスなシルエットだが、チノパンやシアサッカーなどコットン・パンツというのは変わらない。この映画のクールさも変わらない。

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