慶伊道彦 IVY STYLE FILM / “The Great Gatsby”

Kay Coffee Break

グレート・ギャッビー

サム・ウォーターストーン

待ちに待ったギャッビー映画を観たのは僕が27才の時、RLファンと一緒にだ。あの時の興奮は忘れられない。暫くは行ったこともないロングアイランドを気取ったものだ。良かったシーンはたくさんあるのだが、やはり打ちのめされたのは、もっとも平凡というかキャラウェイがパーティに出向いた際の紺ブレにホワイト・パンツ、ホワイト・ロングポイント・シャツ、レジメンタル・タイ、ホワイト・バックス、この出立ちを観た時。当時はニュー・トラディショナルが全盛期、大きめなシャツ衿のロールはユッタリとカーブ、そこに大胆なストライプのタイ、ブレザーは公開当時流行りの2ボタンでブリティッシュ・シルエット、それに合わせパンツもゆったりとしたボリューム感で。今では特になんと言うこともない普通なスタイルにすっかり感動してしまった。

主役のロバート・レッドフォードをそっちのけで、サム・ウォーターストーンのグレー・スーツ・スタイルが眩しくて眩しく、ブルーのオルタネイト・ストライプ・シャツにネイビーのペイズリー・タイ、そこにカラーピンを刺す。他のスーツ・スタイルでも、シャツとネクタイの色合わせが、まさに’70sニュートラッド、トラディショナル・ルックにカラーを取り入れた先駆けとなった。

ホームウェアからもその辺りが感じられる。ケーブル柄のVネック・ベスト、ショールカラーのカーディガンは、いずれもキャメル・カラーで、同色のパンツを合わせる抑えたスタイルで気品が感じられる。

 損な役どころなのにカッコいいのは、トム役のブルース・ダーン。上流階級ゆえの抑えられたスタイルが、またいいんです。ミニチェック・スリーピース・スーツ、クレリック・ラウンド・シャツに合わせるタイは無地タイ。そこにカラーピンを刺す。

ロバート・レッドフォードのスタイルは、まさにRLのウィンドウ・ディスプレイ的な華麗さ。ホワイトリネン・スーツやピンク・スーツはいずれもダブルのウエストコート付き、カラーピンとホワイト・バックスはどんなシーンでも欠かさない。素敵だなと思ったのは、カジュアル・スタイル、白のカシミヤVセーターにホワイト・パンツ (オルタネイトなストライプ入りの) 、そしてホワイト・バックス、白を基調にしたエレガントなルックだった。

エレガントの極め付けとなるホワイト・カラー、スーツ、ハット、シャツ・カラー、パンツ、シューズ、三人のスタイルの随所にみられる。ホワイトをうまく使ったRLの技だ。

イメージで一番アップしたのはラルフ・ローレンであろう。勿論、すでにアップデイト・スタイルを確立していたが、映像から受けるインパクトは凄すぎる。RLの想うニューイングランド・トラッドがいとも簡単に僕らに理解できたのだ。ロングアイランドに住む上流階級の優雅さは、そのまま街に繰り出すという訳にはいかなかったが、要所要所取り入れる事で僕らのニュートラッド・スタイルのギアがアップしたのだ。

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